iPhoneの詐欺アプリに課金されてしまった!課金被害を防ぐ悪質アプリの見分け方、課金の解除など対処方法は?

詐欺アプリでiPhoneに課金されない、被害にあわない悪質アプリの見分け方と対処方法
厳しい審査を経ているはずのAppleの公式アプリストアApp Storeにも、偽の警告や詐欺的な販売方法、高評価のサクラレビューなどの手口で高額の定額課金をだまし取る悪質な詐欺的アプリが多数存在しています。
iPhoneを使っていると、不正広告や偽警告で、詐欺アプリをすすめられることが多いです。
ワシントンポストの最新記事を元に、詐欺アプリの現状と手口、見分け方。アプリインストール時の注意点。そしてもしも詐欺アプリをイントールしてしまったときの対処方法について詳しくご説明します。

公式アプリストアApp Storeにも多数の詐欺アプリが存在する!?

身に覚えのない課金につながる詐欺アプリの被害

ユーザーが認識していないにもかかわらず、いつの間にか高額の課金(利用料)を支払わされてしまう詐欺的な有料アプリが存在しています。

あくまで公式ストアで配布されていて、表向きはユーザーも同意して契約した形になっているため、一概に「不正だ、犯罪だ」とは言い切れません。

しかし

  • 無料と称して、短い試用期間の後、自動的に高額な課金を課す。
  • アプリの機能に釣り合わない高額な使用料を要求する。
  • 試用期間の継続やキャンセルの方法をわざと分かりにくくして課金に誘導する。
  • 偽の警告や広告によって、ユーザーを誘導させ、本来必要ない機能を売りつけ、課金に誘導する
  • 有名ブランドの公式アプリと誤解させるような名称やアイコンでユーザーをだます。

ような販売手法を取るアプリは、「お金を巻き上げる(fleece)アプリ」つまり「フリースウェア(Fleeceware)」であり、詐欺アプリと断定してもよいと思われます。

ワシントンポストの詐欺アプリの暴露記事

2021年6月6日、アメリカのワシントンポストのWEB版に、App Store上の詐欺アプリ(=フリースウェア)について衝撃的な記事が掲載されました。

Apple’s tightly controlled App Store is teeming with scams(英文)
(Appleが厳重に管理しているApp Storeは詐欺ばかり!)

記事では、iPhoneのフリースウェアの現状とAppleのずさんな管理について、厳しい指摘と、被害を防ぐ対策が述べられています。

概要をご説明すると

  • ワシントンポストが独自にAppleの売上上位アプリを調べたところ約2%(18本)が詐欺アプリで、ユーザーに総額4800万ドル(53億円)の損害を与えていることが分かった。
  • 18本の詐欺アプリの収益4800万ドル(53億円)の30%はAppleの手数料になっている。
  • 18本の詐欺アプリをAppleに通報したところ、12本はすぐに削除された。
  • App Storeの独占販売が消費者に「App Storeのアプリは安全」と誤った認識を与え、Appleに膨大な利益をもたらしているため改善が進まない。
  • Androidにも詐欺アプリは存在するが、件数や被害はむしろiPhoneの方が目立ち、被害額もはるかに多い。
  • アプリのレビューには「さくらレビュー」が横行して、詐欺アプリが公式ストアのおすすめとして上位にランキングされることもある。
  • Appleも多くの対策をすすめているが、高度化する詐欺アプリの手口に完全に遅れている。

とのことです。

予想以上に深刻な内容で、アプリを選択することが怖くなってしまいます。

英文ですがブラウザーの翻訳機能を使って読むことができますので、ご一読をおすすめします。

 

詐欺アプリの手口

詐欺アプリに被害者を誘導する手口

App Store上には180~200万近くのアプリが存在していて、通常はなかなかユーザーの注目を集めることはできません。

そこで詐欺アプリ(=フリースウェア)は、多額の費用を使って、不正な広告や販促をおこなう業者と結託して、以下のような手法で、自分の詐欺アプリ(=フリースウェア)ページにユーザーを誘導しようとします。

  1. 有名会社のブランド(例、Samsun)名や、必要不可欠の機能のアプリ(例、QRコードリーダー、セキュリティアプリ)をよそおうデザインやアプリ名をつける。
  2. 「さくらレビューを多数投稿させる」「やらせの大量ダウンロード」などの不正な方法で、短時間にApp Store内の上位に表示されるようにしかける。
  3. 不正な広告業者に結託して、サイトの来訪者のブラウザーに「iPhoneがウイルスに感染しています」と逝った偽警告を表示させて、ユーザーをApp Storeに誘い込む。
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  4. iPhoneの「カレンダーの照会を追加」を悪用してユーザーのカレンダーに「ゼロクリック詐欺」セキュリティ警告」を表示させ、ユーザーをApp Storeに誘い込む。
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これらの不正な販促活動にはかなり高額な費用がかかりますので、なんとかしてユーザーにインストールさせて高額な課金を支払わせようと画策することになります。

 

詐欺アプリ内で課金させる手口

詐欺アプリはユーザーにインストールさせると様々な手口でユーザーに課金契約を結ばせます。

ほとんどの場合、契約時に提示が必要な料金や契約条件は、隠されたりわかりにくい配置に書かれており、ユーザーはなかなかリスクに気がつきません。

  • インストール後の利用条件として「試用契約」を結ばせると見せかけて、定期課金の契約も結んでしまい定期課金を開始する。
  • アプリ内で、追加機能やオプショナル機能を選択させる際に、ユーザーを誤認させて課金契約を結ばせる。
  • アプリ内で「危険」「感染」「システム破損」などの偽りの警告を通知し、不安に乗じて「対応のため追加機能が必要」とユーザーに課金契約を結ばせる。

また一旦契約したあとは

  • アプリを削除(アンインストール)しても課金は継続されてしまう
  • キャンセルの方法が明記されておらず、分かりにくい。
  • 問い合わせてもなかなか返事が来ない
  • キャンセルしても、課金の引き落としがなかなか停止しない

といった被害が、アプリのレビューに多数掲載されています。

 

詐欺アプリの見分け方

App Storeで最初に確認すること~課金が有無と金額!

1.課金の有無をまず確認

アプリを探すときは、最初に「完全無料か?」「後から課金があるのか?」かを確認し、「有料の可能性の有る無し」をしっかり確認しましょう。

今回は一例として、詐欺アプリが多い「QRコードリーダー」で検索して、2021年6月現在一番上に出でくる人気アプリからご説明します。

詐欺アプリの見分け方~まず課金の有無を確認しよう

ただしここで大切なことは、「アプリの課金は悪と誤解しない」ことです。

アプリ開発には多額の経費と手間がかかるため、ただでアプリは作ることはできません。

「完全無料」のアプリは、広告がやたら表示されたり、背後で情報を悪用するよう別の目的をもっているようなスパムアプリも多数含まれていますので、むしろ注意が必要です。

正当なアプリは「課金」があって当たり前とも言えます。

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2.「App内課金」をクリックして課金内容と金額を確認する

アブリの説明画面を下にスクロールすると、課金を説明する「App内課金」の項目があります。

これだけトラブルが多いので、この項目は常時表示させるべきだと思いますが、今は閉じられていますので、「あり」をクリックして課金内容を確認しましょう。

詐欺アプリの見分け方~課金金額と内容を必ず確認

 

ここで課金金額を見ることで、アプリに求める機能と金額のバランスが分かります

上記アプリはQRコードを読み取るアプリです。

今では標準のカメラアプリでもQRコードの読み取りは可能ですが、このアプリを入れると、「連続して高速に次々とQRコードを読み取れる」「読み取ったコードを簡単に共有できる」などの優れた機能があると記載されています。

詐欺アプリ?高額なアプリ内課金の一例

しかし、それに対して「1週間450円または650円、1年契約で4300円」もの費用を支払う必要があるでしょうか??

ここで不必要と思ったら、そのアプリのインストールは止めましょう。

なお、既にAppleは不当に高額なアプリ課金を禁止していますが、詐欺アプリは比較的低額な金額を週あたりや月あたりに繰り替えことで、Appleの規制をすり抜けようとしています。

しかし、課金の具体的金額さえしっかり見分ければ、詐欺アプリの被害にあうことはありません。

 

2.「ユーザーレビュー」の低評価レビューを確認する

アプリのトップ画面からユーザーレビューを確認します。

この例では平均点は「4.0」と高得点ですが、表に出ているレビューから判断せずに、必ず「低評価」のレビューを表示させて確認しましょう

詐欺アプリを見分けるには「低評価レビュー」を見逃さない
このアプリの場合、「起動しただけで前画面広告が出て課金に誘導された」「いつの間にか課金された」「課金が続いた」と詐欺アプリを臭わせる批判的な投稿が相次いでいます。

QRコードで検索するとトップに出てくるアプリですが、紛れもない「詐欺アプリ」と断定してよいと思われます。

 

 

ある報告では、Appleは投稿された評価やレビューの約3分の1を不正として掲載していないにもかかわらず、App Storeのレビューの約25〜30%がいまだに偽レビューと言われています。

「高評価が並ぶレビューはニセモノ」と疑って見ましょう!

 

iPhone公式アプリストアApp Storeにしばしば出現する詐欺アプリ

「詐欺アプリ」と書きましたが、公式アプリストアであるApp Storeで配布されているアプリは、Appleの審査を受けていい建前としては公式アプリです。

しかし、偽警告など不正な広告で誘導したり、不当な高額な課金を求めるアプリは「詐欺的なアプリ」=詐欺アプリとみなしてもよいと思います。

詐欺アプリは、集客しやすい以下の3つの分野に存在しています。

1.娯楽系詐欺アプリ

以前より潜在的に詐欺アプリが多く存在する分野です。

「ゲーム」「占い」「画像編集」「出会い系」など、深く考えずに、ついインストールしてしまう目的を名目に、高額課金や不要な個人情報搾取を狙うものが見られます。

 

2.セキュリティ系

今もっとも多くの被害を出しているのが、偽警告を表示させて誘導し、高額のサブスク契約に誘い込むセキュリティ系アプリです。

iPhoneにはウイルス対策アプリは必要ないと配布が許可されていないため、「通信の安全を高めるVPNアプリ」が、あたかもセキュリティアプリのように紹介される場合が多いです。

VPNは通信経路の安全を守りますが、通常の使用にはまったく必要ないものです。

警告から誘導されたVPNアプリは詐欺アプリとして、インストールしないように気をつけましょう。

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3.ユーティリティー・便利ツール系アプリ

誰もが「あると便利だ」「ちょっと困っている」「純正アプリの使い勝手が今イチ」などと感じている分野を解決することをうたって、インストールを誘います。

不正課金だけでなく、スマホの権限を要求して、裏で情報の不正取得をするものもあります。

「クリーナーアプリ」「最適化アプリ」「QRコード読み取りアプリ」「リモコンアプリ」などが品番に発見されています。

本当に必要なら純正アプリが用意されるはずですから、甘い言葉や偽レビューに誘われて、聴いたことのない制作者のユーティリティーを入れないように気をつけましょう。

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詐欺アプリに課金してしまったときは?

アプリをすぐにアンインストール(削除)してはいけない

怪しいアプリを入れてしまったことに気がつくと、あわてて削除してしまうことがあります。

しかしアプリを削除しても、課金の契約は消えず、課金は止まりません。

削除したことで、アプリの名称が分からなくなり、解決に手間取ってしまいます。

課金を完全に止めて契約を解除するまで、アンスインストールはしないでください!

 

開発元に問い合わせる必要は無いし、問い合わせてはいけない!

詐欺アプリの中には、開発元を明記して、問合せ先やユーザーサポートが案内されているものもあります。

またユーザーレビューを見ると「ユーザーサポートに連絡して下さい。すぐに契約をキャンセルします」的なことが書かれたものも多いです。

しかしこれを信じて連絡してはいけません。

そもそも詐欺アプリを配布するような会社は確信犯なので、問い合わせたところで、返事やキャンセルをずるずると伸ばして、課金を続けさせられてカモにされてしまいます。

キャンセルは下記の手続を行ってください。

iPhoneのサブスクリブションを解除しよう

詐欺アプリに限らず、課金を停止するにはiPhoneの「設定」から「自分の名前と写真」-「サブスクリプション」を選択し、該当の契約を解除することで簡単に実行できます。

詐欺アプリの開発元に連絡する必要はありません。

■Appleヘルプ「Apple のサブスクリプションを解約する方法」

詐欺アプリの課金を停止する方法
詐欺アプリの課金を停止する方法

 

Appleに不正なアプリを報告して被害を止めましょう!

不正な広告に誘導されて詐欺アプリに課金してしまったことをAppleに報告しましょう。

だまされたとはいえ、ご自身が判断して課金されたため、課金分を必ず取り戻せる訳ではありませんが、返金された例もありますし、Appleに認識させることで今後の被害の軽減につながるでしょう。

  1. メールで「Apple からの領収書です」を検索し、該当の領収書を見つける
  2. 「問題を報告する」のリンクから経緯を報告する。

Appleからの領収書

 

 

 

詐欺アプリの被害にあわない対策は?

今までのご説明の復習になってしまいますが、これから詐欺アプリの被害にあわないためには、以下の点にご注意ください。

有名でないアプリは入れない。開発元を確認する。

アプリ開発は大変な仕事ですから必ず目的があります。

広告目的や不正な課金目的のアプリをつかまされてはたまりません。

そのためには「無料」とか「便利」「楽しい」といった宣伝にまどわされず、定評ある有名アプリを選択するようにしましょう。

特に重要な情報や個人情報を預けるアプリは、しっかりした開発元か?アプリの国籍はどこか? 必ず確認しましょう。

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宣伝や警告を安易に信じない

ネットを使っていると様々な手口で、あなたをApp Storeに誘導してアプリをインストールさせようとする不正な広告に出会ってしまいます。

iPhoneは基本的に極めて安全なスマホで、普通に使っている限り危険はありません。

「セキュリティアプリ、クリーナーアプリ、最適化アプリ、VPNアプリ、、、」これらはすべてiPhoneには不要で、すすめてくる物は詐欺と思ってください!

変な警告や宣伝には耳を貸さず、どうしても不安なときは真偽を確認してからアプリを使いましょう。

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アプリをインストールする際は課金内容を確認する

もっとも大切な事、かならず課金金額を確認しましょう

定評ある信頼できるアプリで、このような高額なアプリはありません!!

「高い」と思ったら、一切手を出さないことです!!

詐欺アプリ?高額なアプリ内課金の一例

 

 

「偽警告」の参考になる動画

IPA(情報処理推進機構)さんより、「偽のセキュリティ警告からアプリのインストールへ誘導する手口」について、紹介動画が公開されました。

手口から解決方法まで、おもしろくて面白くてためになるおすすめ動画です。ぜひご覧ください!

 

 

まとめ:
iPhoneの優れた標準アプリを使いこなしましょう!

iPhoneの最大の利点は、高い安全性と、最初からインストールされているApple社製の標準のアプリが非常に使いやすく高性能なことです。

Androidに比べて、iPhoneは標準アプリだけで、ほとんどの作業が完結できます。
標準アプリは変な広告もでず、高性能で安全です。

他のアプリに頼らず、標準アプリを使いこなしましょう。
その上で本日解説したポイントを大切に、安全にアプリをお楽しみください。

 

「私のスマホやパソコンがハッキング、感染しているかも、、」本当にハッキングされているか確実に調べる方法は?

ネット上のデマや悪質業者の広告を信じてはいけない!

当ブログでご説明しているとおり、スマホやパソコンに突然現れる「ハッキングやウイルスの警告」は広告目的の詐欺警告がほとんどです。

しかし、まれとは言え、時には「不正なアプリをインストールされた」「アカウントを乗っ取られた」などが原因で本当にハッキングされることもあります。

本当にハッキングされているかも、、」とどうしても心配なときは、ハッキングやウイルス感染などの調査を行っている専門会社に調査を依頼しましょう。

しかし、ネットで調べると、ハッキング調査を探偵や興信所が行っているところが見つかりますが、パソコンやスマホのセキュリティが強化されている現在、ログ解析などのハッキング調査は高度な技術と実績を持つ専門家しかできません。

より正確な情報を安全に調べるには、ハッキング調査の専門業者に相談しましょう。

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