セキュリティや使い勝手さらにはデジタル終活の観点からも比較して方法をご説明します。
性能や機能やデザインより、大切なものは何か?お分かりいただけるでしょう。
どうしてもガラケーをスマホに変えるとしたら、iPhoneかAndroidか?
高齢者にスマホは??と思います。
最初にお断りしますが、当ブログでは必ずしもシニア・高齢者のガラケーをスマホに交換することをおすすめしておりません。
シニア・高齢者の方こそ、従来のガラケーの方がメリットが多く、キャンペーンやセールストークに乗ってスマホに交換することは、よく検討された方がよいと思います。
詳細はぜひ下記の記事をご覧ください。
ガラケー(フィーチャーフォン)をスマホに交換させるキャンペーンを目にします。しかし「シニア・高齢者の皆さんにとって無理はないのか?本当に代えた方が良いのか?」はじっくり検討しましょう。使ってもらえなければ後悔するだけです。ガラケーとスマ[…]
ITmedia NEWSの「シニアのスマホ選び」の記事をご紹介
2019年末にITmedia NEWSに興味深い記事が掲載されました。
従来の携帯電話(フィーチャーフォンいわゆるガラケー)の選択肢が少なくなったため、ご年配の方にスマホを使ってもらうためには「AndroidとiPhoneどちらがふさわしいだろうか?」との特集記事です。
シニアの方向けのスマートフォン教室の主催などで活躍していらっしゃるモバイルプリンスさんによる、選び方だけでなく双方のメリットデメリットなど非常にわかりやすい良記事ですので、ぜひご覧ください。
ITmedia NEWSの結論は「身近な人と同じ機種を選ぶ」
その上で「最初はどのスマートフォンを買った方がいいのか?」と聞かれた際は、基本的には「近くに住んでいる家族と同じメーカーの機種がいいですよ」と答えています。
息子さんがiPhoneだったらお母さんもiPhone。娘さんがGalaxyだったらお父さんもGalaxyという具合です。同じ機種だと教えてもらうハードルが下がりますし、同じメーカー・OS同士の連携機能がスムーズに使え、充電器も共有できるなど、メリットが多々あるからです。
ITmedia NEWSのモバイルプリンス様の結論は「使い方を相談するであろう身近な方が使っているのと同じ機種が良い」とされています。
iPhoneはシニア・高齢者向けか?
セキュリティ的にはiPhoneが優れている
iPhoneの最大の強みは、創立者スティーブ・ジョブスの強力なリーダーシップにより「垂直統合モデル」すなわち、「機種設計からOS、アプリの管理方法に至るまで、全てをApple社が独占的に行っている」が今でも続いていることにあります。
その結果、以下のようなAndroidを上回るメリットがあります。
- Apple社が本体もOSも独占して製造しているため動作が安定している。
- 内部データは暗号化され、データ流出の心配がなく、ウイルスの感染リスクも少ない。買った時のままでも安全。
- 情報流出に繋がるSDカードがそもそも使えない
- 機種が異なっても画面表示は同じで説明しやすい
- 顔や指紋の生体認証の性能が高い
- Androidのようにメーカーごとの独自仕様や独自アプリがなく、Appleの純正アプリ使用だけでも一通りの作業ができ、初心者にとってシンプルで使いやすい。
ただしiPhoneには大きなデメリットも
ホームボタンがない最新機種はシニアには使いにくい!
iPhoneは数年前よりデザインや画面表示を優先させるため、ホームボタンがない機種が増えて来ました。
もちろん画面をドラッグするなどの操作で機能的には支障はないのですが、この画面操作がシニア・高齢者には大きな壁となってしまいます。
ホームボタンには「真ん中のボタンを押せばホームに戻れる」という一目でわかる大きなメリットがあります。
Androidもボタンがない機種が増えてきましたが、シニア・高齢者にはホームボタンは必須だと思います。
Apple社の追求する、iPhoneのデザイン性やシンプルさが初心者には大きな壁になる!
iPhoneはシンプルで美しいデザインが最大の売りです。
本体のデザインもスッキリとしていて、ボタン類はほとんど隠れて見えません。
アイコンもシンプルさを追求するデザインになっていてすてきです。
しかしこのシンプルさ、慣れている方には何の不自由もありませんが、初めて使うシニア・高齢者には、理解を妨げる大きな壁になります。
今のiPhoneのアイコンはおしゃれすぎて、はじめの方には理解ができません。
またアイコンについているラベルも勝手に記載を変えることができません。
iPhoneは規制が厳しく、ホーム画面を入れ替えるようなカスタマイズもできません。
Androidはシニア・高齢者むけか?
Androidも性能的にはiPhoneに追いついている
かつてのAndroidはiPhoneに比べて「セキュリティが弱い」「不安定」と言われていました。
しかしこの数年に発売された新しい機種では、以下のようにほとんどiPhoneと同様に向上しています。
- 内部データは自動的に暗号化されるようになったため、データ流出の心配がなく、ウイルスの感染リスクも少ない。
- 記憶容量が増え、情報流出に繋がるSDカードを使わなくても困らない機種が増えた。えない
- ほとんどの機種で顔や指紋の生体認証が装備されつつある。
Androidの大きなメリット
機種の選択肢が多い
Apple一社が独占するiPhoneと正反対で、Androidは「基本のOSだけはGoogleが無償で提供するが、メーカーごとに自由に製造を任せ、個性や機能を競わせる」戦略です。
そのため、メーカーごとに画面のデザインや機能も大きく異なり、価格や性能が異なる多くの機種から最適なものを選ぶことができます。
カスタマイズが比較的自由
Android最大の利点はカスタマイズができることです。
- iPhoneと違って画面メニューをご年配者にわかりやすい簡単なものに交換できる
- アイコンのラベル表示やデザイン、大きさをシニア・高齢者むけに変更できる
といったことが簡単に実現できます。
Androidのデメリット
機種が多いだけに選択が難しい。選択のポンイトは?
Androidスマホは多様な機種から選ぶことでできますが、逆に迷ってしまいます。
どの機種もある程度統一感があるiPhoneと比べて、Androidは全く違っていて別の機種です。
選択にあたっては、次のようなポイントを考えましょう。
特にシニア・高齢者むけは、決して値段や見た目だけで選んではいけません。
店頭やレビューサイトを参考にシニア・高齢者むけの機種を選んでください。
- 指紋・顔など生体認証の性能をしっかり確かめる
シニア・高齢者だからと言ってロックのないスマホは決して持たせてはいけません。ロック解除が容易で性能の高い機種が望ましいです。指が乾燥していて指紋認証がなかなか通らない方が多いようですので、精度の高い顔認証を搭載している機種がより適切でしょう。 - ボリュームや電源ボタンの押しやすさなどシニアの使い勝手を考慮する
シニア・高齢者にはホームボタンがある機種の方がはるかに使いやすいです。またデザイン優先でボリュームボタンが隠れているような機種は避けるべきでしょう。 - できればSDカードのない機種が望ましい
SDカードは紛失時などトラブルの元です。不要ですし、ついていた場合も使うべきではありません。
らくらくフォンは本当にシニアに最適か?
シニア向けで販売されている「らくらくフォン」にしても、その実態は大きめのアイコンが並んでいるスマホにすぎません。
使い方をたずねられても、同じ機種を持っていないと、電話やメールで使い方を説明することはかなり困難です。
またらくらくフォンは画面サイズが小さく、薄くて大型液晶でも軽い機種が増えた現在、価格に比べて性能的にもかなり見劣りがします。
不要なアプリを削除して、見やすくホーム画面を整理した普通のスマホの方が、ずっとわかりやすいかもしれません。
また画面のホームメニューを入れ替えれば、容易に「らくらく○○」も実現できます。
iPhoneとAndroid、結局どちらがシニア・高齢者向き?
上で説明してきたとおり、双方それぞれメリットとデメリットがあります。
またどちらにしても、当初からシニアが使いこなせるわけがありません。
当ブログとしての結論も、ITmedia NEWS記事の結論と同じく「身近な方が使っているのと同じメーカーの機種にする。ただしご年配者向けに設定やカスタマイズして用意してあげるのが良い」と言うことになると思います。
シニア・高齢者のスマホに必要な事前のセットアップ
使う人の事を考えて必要な準備をしてあげよう
iPhoneでもAndroidでも同様ですが、IDとパスワードの組み合わせと言った簡単なことも、ご年配者には大きな障壁となります。
今さらご年配者にセキュリティ的な知識やお約束ごとを求めるのも無理があるでしょう。
だからと言って、シニアのスマホも犯罪者に狙われていることを忘れてはいけません。
「画面のロックを無効」にしたり、「各種暗証番号を購入した時のままにしておく」ようなことは決して行ってはいけません。
事前に、万一に備えて、必要な事前設定は必ずやっておいてあげて、必要な情報は本人に代わって対処できるように控えておいてください。
高齢の方なので、万一に備えて「デジタル終活」もお忘れなく。
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シニア・高齢者のスマホの必要な具体的準備の内容
必要な準備は以下のような、主にシニア・高齢者が安心して使えるようなセキュリティ強化の諸設定となります。
万一に備えて、各種アカウントやパスワード、暗証番号の控えも、忘れなく記録してデジタ終活も完了しておきましょう。
- 通信事業者との契約に必要なアカウント(ネットワーク暗証番号、マイページのID・パスワードなど)を設定し、控えておく。
- Googleアカウント(Android)、AppleID(iPhone)も作成し、パスワードなどは控えを取っておく。
- とまどわせないため、不要なアプリは削除または別画面に移動し、ホーム画面をできるだけシンプルにしておく。
- 画面ロックの設定(ロック番号、指紋・顔)を設定し、番号は控えておく。
- GPSの位置確認、紛失時への備えも設定し、必要な情報は控えておく。
- Androidの場合は、本体とSDカードの暗号化を設定する。
- フィッシング詐欺や不正アプリを避けるため、セキュリティアプリを必ず導入しておく。
- 通信事業者が提供しているメールサービス(ドコモメールなど)を使用する際は、強めの迷惑メール防御設定をしておく
- 紛失や故障に備えて、自動的にバックアップをとるように設定しておく。
といった配慮が必要です。
今やスマホはあなた本人を確認の鍵でもあります。もしもスマホをなくした時、悪用されたり、転売されないように備えるにはどうしたら良いか?先日「世界一受けたい授業」でも取り上げられた最重要ポイントが「スマホの画面とSIMカードの2つのロックの仕方[…]
まとめ:
シニアのスマホには何か必要か?再度よく考えよう
スマホは様々な機能を使いこなしている若い年代にとっては、スマホの優位性は明らかです。
しかしシニア・高齢者がスマホに何を求めるかは、若い人の価値観とは大きく異なります。
何より大切なのは「連絡取りたいときに簡単に連絡がつくこと」です。
緊急の連絡をしようにも「ロック解除にとまどう」「電話番号が見つからない」「バッテリーが空だった」では後悔するばかりです。
もう一度、本当にスマホが必要なのか?よく考えて結論を出しましょう。
シニア・高齢者のアプリ活用には、むしろタブレットが最適では?
当ブログでは、シニア・高齢者の方にはむしろガラケーの方が向いていると考えています。
しかしガラケーでは、LINEのようなアプリがが使えないという制限もあります。
どうしてもシニア高齢者にLINEのようなアプリ使わせたい場合は、タプレットを使いましょう。
「通話・連絡はガラケー、アプリはタプレット」と使い分けることで、大きな画面で楽に使用できるため、高齢者にとってはスマホよりはるかに使いやすい環境となります。
くれぐれも「はやってっている」だけでスマホに交換して後悔につながっては大変です。
高齢者にはアプリやデザインより「通信手段を確実に確保できる」事を最優先に考えましょう!
高齢者・シニアの方にお薦め「Amazonのタブレット」
Fire HD 10
Amazonのタブレットは安いものでは千円台からそろっていてたいへん安価ですが、性能は十分です。
しかもアプリ利用の他に、簡単にAmazonでのショッピングやkindleの電子書籍、ビデオの鑑賞もでき、余計な機能もついていないため、シニア・高齢者にとって使い方も簡単で最適のタブレットです。