NTTの電話帳ハローページも廃止、もう固定電話はいらない~セキュリティの観点から解約すべき理由とは?

固定電話は高齢者にはかえって危険
NTTの電話帳「ハローページ」の廃止が発表されました。携帯が普及し、固定電話の番号が詐欺で使われるなど弊害が目立つ現在、もう電話帳はいらないと思います。電話帳以外にも電話番号は様々なルートで収集されて悪用されています。いったん流出した電話番号の掲載削除は難しく、オレオレ詐欺、架空請求、海外からのサポート詐欺やワン切り詐欺まで、特に高齢者の危険につながってしまう危険性をセキュリティの観点からやさしくご説明します。
詐欺被害防止のためにも固定電話は解約をご検討下さい。

2020年10月でNTT電話帳が廃止され配布も終わりました

ハローページが廃止され配布もなくなる

2020年6月18日にNTT東日本・西日本より「個人や企業の固定電話番号が記載されている電話帳ハローページは10月に最終版が発行された後、廃止される」ことが発表されました

長く親しまれたハローページが無くなるのは残念ですが、スマホが普及して以来、電話帳や電話番号案内(104)は使った記憶がありませんから、仕方がないことでしょう。

むしろ電話帳の電話番号が勝手に使われる弊害が目立つ今では、妥当な判断と思います。

なお番号案内104(有料)と職業別電話帳の「タウンページ」は今後も継続されます。

電話帳ハローページ廃止の理由は

NTTからは電話帳廃止の理由として

  • 「携帯電話やインターネット等、固定電話の代替手段の普及」
  • 「通話アプリやSNS等のコミュニケーション手段の多様化」
  • 「個人情報保護に関する社会的意識の高まり等の環境変化」

があげられています。

確かに現在企業やお店の電話番号を調べるのに電話帳を使う人は、一部の高齢者を除いていないでしょう。

広告効果からしても省資源の観点からも無駄で、むしろ遅い決定だったと思います。

しかし大きな原因として、「固定電話の電話番号の流出から、固定電話は危険」を考慮したことは大きいと考えられます。

 

近年多発する固定電話とシニア・高齢者を狙う危険な詐欺

増えてきた「不審な非通知電話」にも注意

コロナ禍で在宅時間が増えるにつけ、電話に出ると「無言で切る」ような着信も増えています。
片っ端から電話して、オレオレ詐欺の新たなカモ探しをおこなっているのかもしれません。

詐欺電話との関連が疑われるのが「非通知でかかってくる電話」で、「営業電話」「詐欺電話」「不在確認電話」「イタズラ電話」などの目的でかかってくるケースが多いようです。

固定電話にかかってくるのはセールスか詐欺ばかり?

今でも固定電話をお持ちの方は「かかってくるのは、セールスの電話ばかり」とお感じのことでしょう。

どこで調べたのか、「冠婚葬祭」から「不用品整理」「靴の押し売り修理」まで、さまざまなセールス電話がかかってきます。

オレオレ詐欺(特殊詐欺)の舞台は、ほぼ100%固定電話

警視庁の資料オレオレ詐欺被害者等調査の概要について(PDF)によると

「オレオレ詐欺の98%は固定電話あてにかかってくる」そうです。その理由は?

  • 固定電話は長く使われている=シニア高齢者が多い
  • スマホでは当たり前の「発信元番号表示」が固定電話にはないことがほとんど。
  • スマホには組み込まれることの多い、迷惑電話除去機能が固定電話にはない。
  • 不慣れな高齢者が使用している可能性が高く、だましやすい。

ことにあります。

固定電話があることで、危険を引き寄せてしまっています

 

架空請求詐欺も多発

オレオレ詐欺の一種ですが、弁護士やあるいは有名な企業や販売業者から「未回収の会費がある。○○までに支払わない場合は法的手段に訴える」といった内容の電話で高齢者をだます手口も増えています。

真に受けて対応してしまうと、言葉巧みに架空の請求内容を納得させられ、高圧的な要求が続き、振込や電子マネーで不正に金銭を盗取されてしまいます。

下でご紹介したケースでは、数度にわたり4800万円もの金銭をだまし取られてしまいました。
コンビニの店員の機転で被害を防いだ例は、全国で多数に昇っています。

■東京都 「STOP架空請求詐欺」サイト

 

とうとう新型コロナの予防接種の予約金詐欺電話も多発!

報道によると、シニア・高齢者に東京都の職員などを名乗り「予防接種を受けてもらうが、予約金が必要」などと、不正な送金を求める電話が多発しているそうです。

少し調べるだけで真偽は分かりますが、巧みな詐欺犯の口車に乗ってしまう高齢者もいるでしょう。

電話番号が広く流出している固定電話は、今後もこのような詐欺の温床になってしまいます。

 

 

海外からかかってくるワン切り詐欺も出現

「平成のダイヤルQ2とワン切り詐欺」が現在再燃している。

平成が始まった、まだ携帯電話が普及する前、ちょうどバブルの時代に「ワン切り詐欺」の被害が広がった時代がありました。

知らない電話番号からの着信を見てかけ直すと、「ダイヤルQ2」に繋がれてしまい、高額な情報提供料ををだまし取られるという手口です。

同じ頃、ツーショットダイヤル番組やテレフォンクラブといったアダルト系の電話を使った悪質サービスも問題となり、裁判や国会でも取り上げられ、NTTも対策を行って規制を強化し、被害は聞かなくなりました。

ダイヤルQ2自体、利用者の減少により2014年(平成26年)にサービス終了しています。

 

現在は「海外からのワン切り」が横行している

ところが現在では、「国際ワン切り詐欺」が増えています。

特徴は「+からはじまる見慣れない番号」からの着信です。
+は「国際電話」を表します。

「+509ハイチ」「+373モルドバ」「+212モロッコ」「+676トンガ」「+237カメルーン」「+247アセンション島」「+674ナウル」

など、全く知らない、知り合いもいないマイナーな国からの国際電話の着信が残っています。

中には「050-」ではじまる着信もあります。

また「09066350615」と普通の携帯電話番号と変わらない詐欺電話もあります。

かけ直すと、ちゃんと着信され、音楽が流れたり、「日本人の友人が困っています。そのままでお待ちください」などのアナウンスが流れて、すぐに電話を切られないように工夫されています。

そのまま何も変化がないため、しばらく聴くと電話を切るしかありません。

ところがこれがダイヤルQ2と同じ仕組みで、発信者に30秒で180~260円というような高額の通話料請求がつけられることになってしまいます。

海外からのワン切りの対応方法は

かかってくる電話はユーザー側は防ぎようがありませんので、国内外を問わず

  • 「見知らぬ電話番号は全て無視」
  • 「決してかけ直ししない」

を心がけましょう。

やや不愉快ではありますが、それ以上の実害はありませんので、ほっておくのが一番です。

 

どうして個人の電話番号が漏れてしまうのか?

電話番号や個人名は売買されて名簿屋で入手できる

名簿屋は合法的なビジネスか?

「名簿屋」という言葉をお聞きになったことがあると思います。

かつては普通に配布されていた、同窓会名簿、卒業アルバム、公務員名簿、社員名簿、医師名簿、有資格者名簿などを元に、個人名のデータベースを作リ、目的に応じて売買する名簿屋というビジネスがあります。

かつては野放しでしたが、個人情報保護の高まりから、現在では個人情報保護法の管理下にあり、営業に当たっては、内閣府の外郭の個人情報保護委員会に届け出ることが義務づけられています

しかし、名簿の売買自体は違法ではないため、様々な手法で入手した電話番号などの個人情報が、営業やDM(ダイレクトメール)に使用されているのです。

名簿屋の個人情報を削除させるには?

個人の電話に、身に覚えのない営業電話がかかってきた場合には、個人情報保護法では削除することができます。

削除を求める相手は、個人情報を提供した名簿屋になり、以下のように進めます。

  1. 営業電話をかけてきた相手に、「どこから電話番号を入手したか?」を尋ね名簿業者を聞き出す。
  2. 名簿業者に自分の個人情報の提供を止めて削除するように要求する

個人情報を利用する際は、あくまで本人同意が必須であり、本人が求めたときには削除することは義務づけられていますので、電話営業してきた者や名簿業者が要求に応じないことは違法であり、訴えることも可能なのです。

しかし相手先も明確でない営業電話に対して、そこまで求めることはなかなか難しいのが実体と思います。

個人情報流出時には電話番号も漏れ出している。

相次いでいる個人情報流出事件のたびに、IDパスワードやメールアドレスに加えて電話番号も流出しています。

流出した情報は、データベースにまとめられ、ブラックマーケットで売買されて、海外の犯罪者にも悪用されてしまいます。

また「キャンペーン応募」などで安易に入力した電話番号は本来はそのキャンペーンに関係する広告だけで使われるべきですが、密かに売買される例も多いと言われています。

 

非公開の個人の電話番号がネットに出てくる理由

ネットで自分の電話番号を検索するとヒットすることがある

NTTのハローページは2001年(平成13年)から、個人情報保護のため「個人の電話番号、個人名、住所」は非掲載となり、その後は希望した人だけが掲載されるようになりました。

ところが、自分の電話番号を「03-○○○○-○○○○」のようにハイフンをつけて入力し検索してみると、「個人名や住所」が検索結果に表示されることがあります

これはハローページを元に、電話番号リストを作り販売する業者のデーターペースの一部がネット上に公開されているからです。

「ハローページ データ」で検索するとさまざまな業者がヒットします。

業者は電話番号に様々な属性をつけて、用途別に数千円から数万円で売買しているようです。

NTTのハローページは公開情報とされていたため、読み取ってデータ化して掲載したり、独自の情報を加えて、「電話帳データベース」を製作して販売することは違法ではありません。

抗議しても電話番号の掲載削除はしてもらえない

この手の業者に「自分のデータを削除して欲しい」と依頼しても、元々が公開されていた情報のため、決して掲載削除に応じてはくれません。

つまり電話番号も流出が相次いでいるメールアドレスやパスワードと同じく、「1度でも流出すると削除は困難」になってしまうことが現状です。

勧誘電話やオレオレ詐欺には、このような電話番号データが使われていることは明らかで、警察も指導はしているようですが、違法でない以上、いったん掲載されてしまったデータはどうにもなりません。

 

 

セキュリティの観点から固定電話の必要性を見直そう

「固定電話は災害時に使える」は昔のこと、、、

固定電話のメリットは今ではほとんどありません。

かつては「災害時に停電しても固定電話なら使える」ことが大きなメリットとしてあげられていましたが、今ではネットを通じて音声通話を行う「光でんわ」のようなインターネット電話が一般的になっています。

NTTもインターネット化を進めており、いずれ従来の固定電話回線は廃止されるでしょう。

ところが、インターネット電話になると、外見は同じでも「停電の時は自宅のルーターも止まり、通話もできなくなる」ため、「停電でも使える固定電話のメリット」はありません

設置するだけで固定費がかかる固定電話を見直すべきです。

 

特にシニア・高齢者にとって固定電話はリスクとなっている

シニア・高齢者には携帯電話の方がメリットははるかに大きい

また、通常の通話がほとんど携帯電話に移行している現在、特にシニアや高齢者に固定電話を残すことは、かえってリスクにつながるとさえ思えます。

高齢者はなかなか新しい機器を使ってくれませんが、「固定電話は廃止して携帯電話に移行すべき」ではないでしょうか?

  • 携帯電話の方が「連絡を取りたいときにすぐに連絡できる」メリットは大きい。
  • 機種によっては位置情報を取得して「見まもりサービス」を提供している物もある。

シニア・高齢者にはスマホよりガラケーを!

なお高齢者にはスマホよりフューチャーホーン=「いわゆるガラケー」の方が以下の理由からお薦めです。

  • 高齢者はタッチパネルの操作が難しく、アプリを使う習慣も少ないため、ガラケーの方が使いやすい。
  • 充電池電池がスマホよりずっと長持ちするため、緊急連絡用として高齢者に最適。

詳しくは以下の記事もご覧ください。

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スマホの電話番号も、一段と慎重に扱おう

固定電話から携帯電話に主役は移りましたが、電話番号は依然として個人や組織を特定できる重要な個人情報です。

さらに携帯電話は、メールや通話のツールとして以上に、本人を確認する「本人認証の鍵」としても使われることが普通になりました。。

たとえば電話宛に送信される「SMS=ショートメッセージは」は、金融機関をオンラインで利用する時に、本人確認の鍵なる「確認番号」の送付方法として使われています。

すでに海外では特殊な方法で電話番号を盗用し、本人確認を悪用する手口で、巨額な詐欺被害が発生しています。

また、スマホを盗まれた時、スマホの情報はロックのため盗まれなかったとしても、SIMカードを抜き取られて、他の電話機で転用されると、他人があなたに成りすまして、通話やSMSが使われてしまいます。

電話帳がなくなった現在、犯行のヒントを与えないよう、電話番号は大切に扱うに越したことはありません。

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まとめ:電話番号も他の個人情報と同等に大切に扱おう

以上ご説明してきたとおり、固定電話を維持するメリットはほとんどありません。特にシニア・高齢者にとってはかえってリスクになってしまいます。

この機会に固定電話の必要性を再検討し解約しましょう!

また、オンラインサービスを利用する時など、電話番号の登録を求められることはしばしばありますが、「サービスに必須で、個人情報の取り扱いが信用できる場合」を除いては、安易に記入することはやめましょう。

特に携帯の電話番号は、今後ますます重要になります。慎重に扱うようにしましょう。

 

 

「私のスマホやパソコンがハッキング、感染しているかも、、」本当にハッキングされているか確実に調べる方法は?

ネット上のデマや悪質業者の広告を信じてはいけない!

当ブログでご説明しているとおり、スマホやパソコンに突然現れる「ハッキングやウイルスの警告」は広告目的の詐欺警告がほとんどです。

しかし、まれとは言え、時には「不正なアプリをインストールされた」「アカウントを乗っ取られた」などが原因で本当にハッキングされることもあります。

本当にハッキングされているかも、、」とどうしても心配なときは、ハッキングやウイルス感染などの調査を行っている専門会社に調査を依頼しましょう。

しかし、ネットで調べると、ハッキング調査を探偵や興信所が行っているところが見つかりますが、パソコンやスマホのセキュリティが強化されている現在、ログ解析などのハッキング調査は高度な技術と実績を持つ専門家しかできません。

より正確な情報を安全に調べるには、ハッキング調査の専門業者に相談しましょう。

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