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Yahoo!ブログ閉鎖からデジタル知的財産保護とデジタル終活の必要性を考える

オンラインのデータを自ら守るイメージ
2019年12月ついにYahoo!ブログが閉鎖されました。無料サービスの終了が相次ぐ中で、長い間ネット上に蓄積されたコンテンツが無造作に失われています。しかし運営側のルールや対策は未整備で今後も同様な事例が繰り返されるでしょう。
「デジタル知的財産/デジタル遺品」とも言えるコンテンツを守るため、デジタル終活の有効性をご説明します。
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2019年12月15日、ついにYahoo!ブログが閉鎖されてしまいました

相次ぐ無料のブログやホームページ作成サービスの閉鎖

最盛期は100万以上のブログが掲載されていた「Yahoo!ブログ」が12月15日に閉鎖されました。

閉鎖の理由は「市場環境や今後の事業方針などの検討の結果」と説明されています。

Yahoo!は他にも以前買収した無料ホームページ作成サービス「Yahoo!ジオシティーズ」も3月に閉鎖しており、これでYahoo!上でユーザーがコンテンツを公開するサービスはなくなったことになります。

無料のブログやホームページは継続が難しくなりつつある

「Yahoo!ブログ」「Yahoo!ジオシティーズ」のような無料のコンテンツサービスは、多くの来訪者を集めて広告を閲覧させることで「広告代収入」を獲得するため運営されています。

かつてはネット集客の中心として人気を誇ったブログサービスも、今はもっと手軽にアップできるSNSに移ってしまいました。

次第に広告収入も伸び悩み、今後運営コストがまかなえなくなると言う判断なのでしょう。

検索機能付きの大規模ポータルサイトを運営しているYahoo!ですら継続を諦めたわけですから、今後無料のブログはなかなか存続が難しくなったと考えざる得ません。

 

無料ブログに蓄積されたコンテンツはどうなってしまうのか?

他サービスへの移行について案内されているが、、、

閉鎖についてはかなり以前から告知され、類似サービスへの移行方法も掲示されていました。

サービスを推進していた担当者も、コンテンツが消えてしまう事への無念の思いがあったのでしょう。かなりていねいに移行の方法がまとめられていました。
しかしYahoo!ブログやジオシティーズには、持ち主の死去などから管理者不在となって放置されたホームページやブログが多数あり、

「後世に残すべき情報資産である貴重なコンテンツを消してしまった良いのか?」
「なんとか保管すべきだ」

という声も多く寄せられていました。

貴重なデジタル資産が消滅する背景

長く続いたコンテンツサービスが閉鎖される時にどのような問題が起きるのか?

2019年3月に「Yahoo!ジオシティーズ」が閉鎖された際に、死生ライターの古田雄介氏が下記の記事で、非常にていねいに解説なさっています。
【要約】

  • Yahoo!ジオシティーズのルーツは1994年に米国で誕生した。1997年に日本法人化し、インターネットブーム、並びに個人サイトブームを支えてきた重要なサービス。サービス終了の告知次点で約400万サイト登録されていた。
  • 人気サイト「魔法の笛と銀のすず」のように、管理者の死後15年以上経ても、有志が管理を引継ぎ継続できたサイトもある。しかし多くのサイトは消えてしまう。
  • ネットは決して永遠の世界ではない。数千件の故人のサイト=元の管理者の手を離れたサイトの追跡調査をしていると、10年以上残っているケースのほうがまれ。あくまで運営側の都合で続いているだけで、数年で消え去るような“暫定的な場”と言える。

アナログより、はるかにはかないデジタルデータ

かつてのアナログの時代は人の生きた証は、主に紙の記録として残りました。「日記、手紙、家計簿、、」。天災や戦争を生き残った記録は、実態のある紙の上で確実に残り続け、貴重な歴史の証人として各種の研究にも役に立っています。

20世紀の最後になってデジタルとネットの大発展以降、だれでも膨大なデジタルデータを生み出すようになりました。

今では個人が投稿するコンテンツのステージは「ブログからSNSに移った」とは言え、データの総量はますます増加し、写真や動画も併せて、途方もない量の記録が日々生み出されています

しかしそれらのデジタルデータは然るべき措置をし、コストを負担しないと消滅してしまう宿命を持っています。何百年の残り続ける紙にくらべて、デジタルを保管する媒体~CDディスク、ハードディスク~はあまりに寿命も短く一部でも破損すると全てが消えてしまいます。

さらにネット上のデータは、痕跡すら残さず、人知れず忘れ去られたまま消滅してしまうのです

 

 

アカウントやデータは本人だけのもの!~「一身専属」規約の高い壁

本人以外の利用は一切禁止されている

「はかないデジタルの宿命」をさらに難しくしているのが、「各種サービスのルール=規約」です。

Yahoo!ブログの担当者も、ブログを書いた本人の家族であっても、管理者が不在となったブログのデータを保管したり移転することはできません

それは規約上「管理のアカウントは本人のみに所属する=一身専属」と定められているからです。

この規約はSNSをはじめとして、デジタルやオンラインサービスのほとんどが採用しています。
つまり特に定めがない限り、

  • アカウントやデータは全て本人1人のもの。
  • 家族であっても引き継ぐことはできない

という大原則があるのです。

たとえば「熱心に集めたマイレージ」についても、航空会社によっては「一身専属」を盾に、引き継ぐことができない場合もあります

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航空会社のマイルが消えてしまうことを防ぐには

個人情報で莫大な利益を上げているにもかかわらず、冷たい運営側の対応

またSNSの投稿も、たとえ家族であっても修正や削除は許されません。追悼のメッセージであっても、本人以外の編集は禁止されていますし、運営者に頼んでもやってもらえません。

また投稿を思い出のためにダウンロードすることすら許されていません。

無料でSNSサービスを運営している会社側は、匿名化されているとは言え、個人の情報を自由に使って広告や情報提供、AI開発などを行い、大きな利益を上げているにも関わらず、遺族の気持ちにすら対応しない、かなり片手落ちの状況が許容されているのです。。

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まとめ:
知的財産のデジタル資産やデータを守るため、デジタル終活が必須です!

自分のデジタル資産は自分で守り、伝える準備が必要

デジタル終活するとき、やはりお金に関わるデジタル遺産を中心に考えてしまいますが、後世に残すべき価値のあるブログやホームページ、投稿内容など、いわば「デジタル知的財産」についてもぜひ考慮いただきたいと思います。

これらはデータさえ残されれば、生かす術はあるのですが、データーを一括してダウンロードするためにも、ブログ管理のアカウント情報(ID、パスワード)が必須です。

しかし今回の事例でもお分かりの通り、サービス側は規約を盾に、本人以外の利用を認めず、遺族であってもアカウントを公開してくれません

さらに、無料ブログだけでなく、今は盛んなSNSも将来どうなるか分かりません。時代の変化で、サービスの終了や整理は大いにあり得ます。

つまり現在ネットに公開されている膨大な記録は、永続性については実は非常に「はかない物」なのです

ならば「万一の時に備えてアカウントを伝える」など、自分でコンテンツを守るしかありません!

日本デジタル終活協会の伊勢田弁護士の講演も参考になります。

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自己防衛のためデジタル終活を!!

ルールや環境が整備されるまでは、大切なデータや思い出を失わないため、自らの責任で自己防衛するしかありません。

その有効な手段のひとつが「デシタル終活」なのです。

デジタル終活をご自身だけでなく周囲の方にも、この観点からも「デジタル終活の必要性」を喚起いただけると幸いです。

 

「デジタル終活」を知るための4冊の本のおすすめ

「デジタル終活」については、当サイトでもいろいろな側面からご説明していますが、デジタル終活の必要性や、「もしデジタル終活をしていなかった、どんな被害につながるか」「法律から見たデジタル遺品」などのテーマで詳しく解説された4冊の良書をご紹介します。

特にデジタル遺品問題に長く真剣に取り組んでこられた古田雄介氏の3冊の著作は、どなたにもご一読をお薦めいたします。「スマホの中身~」と「個人サイト」の2冊をご覧になるとデジタル終活の必要性が痛感いただけるでしょう。
また北川祥一氏の「デジタル遺産の法律知識」はアカウントから仮想通貨まで幅広い内容を専門家がQ&A方式でわかりやすく解説してくれます。