コロナ対策とOSが一体化したiOS13.7そしてiOS14登場。その意義と使い方、COCOAも必要な理由は?

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2020年9月2日に新型コロナ対策に対応したAppleのiOS13.7、17日にはiOS14にバージョンアップされました。しかし接触確認アプリCOCOAも引き続き必要です。
接触感染通知アプリCOCOAと一体化した新しいiOSは何が画期的で意義があるのか?どうしてCOCOAも必要なのか?そしてインストールの方法、使い方をやさしく解説します。
先日当社社員にCOCOAの「陽性者との接触通知」が届き、PCR検査を受ける体験をしました。
「もしもあなたにCOCOAの通知がきたらどうしたら良いか?」詳しくまとめましたので、ぜひご覧ください。
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接触確認アプリCOCOAに感染者との接触通知が来た

コロナ対応iOS13.7がiOS14に進化!しかしこれからCOCOAも必要。なぜ?

2020年9月2日にAppleよりiOS13.7とiPadOS13.7が発表されました。そして17日にはiOS14に進化しました。

今回のアップデートは、通常のようにセキュリティ対応やバグの修正に加えて、iPhone用のiOS13.7より

「アプリをダウンロードしなくても新型コロナウイルス感染症(COVID-19)接触通知システムの利用ができる」

ことが最大のポイントです!

iOS14も同じ仕組みを引き継いでいます。

ただしiOS14になっても日本では「COCOA」はこれからもイントールが必要です。その理由とは何でしょうか?

新しい新型コロナ接触検知システムとは?

iOS13.7のAppleの説明(英文)によると、iOS13.7の新型コロナ接触検知システムとは

  • 専用のアプリ(ENS)を入れないでも接触確認が可能なシステムENE(Exposure Notifications Express)が搭載された
  • 世界各国の公衆衛生局(日本は厚生労働省)は、
    「新しいENE利用」か、
    「専用アプリ(ENS)を利用する」か、
    「両方を併用する」
    を選択できる。

とあります。

ところが、実機で確認したところ、本日9月3日現在、日本では新しいENEには未対応で、専用アプリ(ENS)である「COCOA」をインストールする必要があります。

日本では新ENEは未対応でこれからもCOCOAが必要!これって無意味じゃない?

アフターコロナの時を考えると、大きな意義がある

いいえ、そんなことはありません。

COCOAのような専用アプリのおかげで、感染通知だけでなく、保健所とリンクした支援機能、たとえば「PCR検査を迅速に無料で受信する受ける案内を受ける」といった機能が使えます。

これは独自アプリだからこそできる優れたサービスです。だからCOCOAを使い続ける必要があります。

さらに新システムでは、

  • OSと感染対策アプリが一体化して信頼性が高まった。
  • 海外に出かけた際も、到着後すぐに現地のコロナ対応について通知を受け取り、設定メニューからすぐに対策を設定できる。
  • 日本のCOCOAのように早期に独自対策アプリを作る事ができない国でもすぐに対応できる。

など、アフターコロナで人の移動が再開した時のことを考えても、OSと一体となったiOS13.7の効果は非常に高いです。

たとえば

「独自アプリを作ることができない国でも、感染接触確認ができる」

「日本の空港に海外からのお客様が到着したとき、すぐに通知が来てCOCOAを入れてもらえる」

これはすばらしい進歩です。

厚生労働省さん、COCOAサイトの更新をお願いします。

それにしても、9月9日現在、厚生労働省の「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application」サイトのトップには、まだiOS13.7についての記載はありません。

ヘルプには以下の説明があります。

■問12  iOS13.7では、接触確認アプリをインストールしなくても接触の通知を受け取ることができると聞きましたが、本当ですか。

■問13  接触確認アプリをインストールしていない端末を、iOS13.7にアップデートしました。「設定→接触通知→COVID-19診断を共有」に進むと、「“COCOA-新型コロナウイルス接触確認アプリ“規約」という画面が表示され、「同意する」を押しても接触確認アプリのインストールや利用ができませんでした。接触通知の機能を利用するにはどうすれば良いですか。

今回のバージョンアップは事前に発表されているのですから、早期にわかりやすい説明をお願いしたいです。

Androidは?これまで通り「COCOA」を使う

実は9月1日にAppleとGoogleは共同で発表を行っています。

その内容は

  • 両社はこれまでのアプリを使った接触確認ENS(Exposure Notification System)を発展させた新しいENE(Exposure Notifications Express)を開始した
  • 新ENEはENSと同等のことが実現できるシステムであり、これまでと同様ユーザーのプライバシーを守り、データを流用することはない。
  • AppleはiOS13.7以降はアプリをインストールすることなく接触感染通知ができる新ENEを提供する。過去のアプリENEも使える。
  • GoogleのAndroidではAppleと異なり、Googleが当局に代わって作成したアプリをダウンロードして使うことになる。アメリカの4つの州から開始する。

とのことです。

つまり

  • iPhoneは独自アプリがある国は独自アプリ。ない国はiOS13.7またはiOS14のENEを使用する。
  • Androidは独自アプリがある国は独自アプリ。ない国はGoogleが作成したアプリを使用する。

ということで、日本のAndroidのユーザーは、当分の間「これまでと同様、ENSの接触感染通知アプリCOCOAを使い」ます。

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新しいiOSのインストールと新しいCOCOAの使い方

1.「設定」画面を開いてiOS14へアップデート

  1. 「設定メニュー」-「一般」-「ソフトウェア・アップデート」を選択します。
    アップデートには15分ぐらいかかります。
  2. アップデート完了後「設定メニュー」を開くと、新しい「接触通知」のメニューが増えています。

 

2.「接触通知」画面より設定を開始

  1. 接触通知画面の「接触通知をオンにする」を選択して設定をはじめます。
  2. 接触通知の仕組みとプライバシーの扱いについて詳しい解説も見ることができます。

 

接触通知の仕組みとプライバシーを確認したら、それぞれ「完了」を押すと元の画面に戻ります。

3.利用する国名を選択する

  1. 日本を選択します。海外へ出かける時も到着したら同様に国を選ぶことができます。
  2. 日本を選択すると、「すでにCOCOAがあるので、インストールするよう」に求められます。「完了」は押さないで「App Store」へを選択してください。

4.COCOAのインストール

  1. App Storeページ内の「COCOAの特集ページ」が開きます。
  2. 仕組みについてしっかり読んだら、「次へ」を選択
テキスト
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5.利用規約とBluetooth常時利用の許可

  1. 仕組みを理解したら「利用規約」読んで「同意」してください。
  2. COCOAはBluetoothの電場を利用するため、Bluetoothを常時接続にする必要があります。
    なお通常のBluetoothと異なり、極めて消費電力の少ない電波を使用するため、バッテリーにはほとんど悪影響なく、急に電池が減ることはありません。
テキスト

6.接触のログ取得を許可してCOCOAの使用開始

  1. COCOAは周囲のCOCOAから発信されるBluetoothの電波を利用して、接触状況を確認し、記録(ログ)を保存します。
    記録されたログは2週間保管され、万一接触者に感染者が出た場合だけ通知されます。
    この「ログの保管」と「通知」について「有効にする」を選択してください。
  2. これでインストールは完了しました。確認のため再度「設定メニュー」から「接触通知」を選択してください。

7.「接触通知」の設定の変更

  1. 「設定メニュー」から「接触通知」を選択すると、「使用中」に変わっていることが確認できます。COCOAの動作をiOSがきちんと確認していることが分かります。
  2. 毎月一回正常に動作しているかの通知と、現在いる場所で使用が可能化の通知も、念のため「ON」にして良いと思います。
  3. 以上ですべての設定は終了しました。

iOS版COCOAのため便利なサービス

iOS版のCOCOAでは、感染者との接触通知がきても「いつ接触したか分からない」という問題がありました。

暫定的な解決方法としてiOSアプリのログ記録を貼り付けることで、接触日を推定するサイトが技術者の皆さんの有志によって開設されました。

 

まとめ:
OSと感染対策が一体化したことに大きな意味がある。

今回の新システムはまだ稼働したばかりで実際上は今までと変わりません。

しかしアフターコロナらなって、全世界誰もが感染症に注意して、「2度とロックダウンなど起きない安全な社会をめざす」際、今回のような取り組みは、計り知れない意義があると思います。

12月22日現在、ダウンロード数は2,123万件と、大台を超え、すでに4,967件もの陽性が登録されています。
特に11月以降、陽性の登録が増加しており、確実に「知らないうちに感染を広げる」ことを防止する成果を発揮しています。

接触感染アプリCOCOAダオロード数と陽性登録者件数の推移

なお「他人との接触」状況を記録して、後から「感染したかもしれない接触」の有無とリスクを知らせてくれるCOCOAに対して、自分自身の行動にリスクがないかを教えてくれる「3密チェッカー」という優れた他アプリも評判になっています。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

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