しかしこれら表示は本物ではなくサポート詐欺に誘導しようとする偽警告です。パソコンにはなんの問題もありませんし、情報を盗まれることもありません。本物のトロイの木馬についてもやさしく解説しますので安心して下さい。
まずは落ち着いて、ゆっくり当記事をご覧になってパソコン、スマートフォンにあった消し方で「警告を消しましょう!
1.パソコンに突然現れる「トロイの木馬」の偽警告には2種類ある。
A.画面いっぱいにトロイの木馬の警告が現れて消せない場合(パソコン)
パソコンに上記のような警告が突然表示されて、スタートメニューも閉じるボタンも押せず、パソコンがフリーズ/ロックされたような状態になってしまいます。
画面には以下のような警告文が書かれます
そして「Microsoftのサポート」「Windowsヘルプライン」「Windows Defenderセキュリティセンター」電話するよう050または010からはじまる電話番号が表示されます。
※010 からの番号の時は国際電話ですので高額な電話代もかかってしまいます。
これは広告配信の仕組みを悪用して、パソコンには何ら問題がないにも関わらず、画面に表示されている050-○○~の電話番号に電話させようとたくらむサポート詐欺の偽警告です。ただの詐欺全画面広告に過ぎません。
電話すると、日本語を話す外国人のオペレーターが出てきて、言葉巧みにあなたのパソコンに遠隔操作ソフトを入れさせてパソコンを操り、わざと不具合を作り出して、サポート代金をだまし取ろうとします。
「マイクロソフトのサポート」「Microsoft Defenderサポート」などすべてデタラメです。
決して電話してはいけません。電話してしまったらすぐに電話を切って、パソコンの電源ボタンを8秒程度長押し(ただ押しただけではダメ)して強制終了しましょう。
なお偽警告はただの広告ですから、表示されてもパソコンには一切危険はなく、情報も漏れません。
B.画面の右下から消しても消しても何度もひんぱんにトロイの木馬の警告が出てくる時(パソコン、Androidスマホ)
おそらくブラウザーのクローム(Google Chrome)やエッジ(edge)の通知機能を悪用した偽広告です。
以下のように「マカフィーからの警告」を装うものも多く、細長いポップアップ広告の形で表示されます。×をいくら押してもまたでできてしまいます。
なお、ここをクリックするとAの「トロイの木馬に感染した」の偽警告がでてくることもあります。
変な表示がされるだけで、パソコンやスマホには一切危険はありませんが、邪魔なので、ブラウザーの設定を見直して消してしまいましょう。
そもそも「スマホにウイルス」はウソ!スマートフォンにはウイルスは存在していません!
ぜひしっかりと認識いただきたいのですが、スマートフォン(Android、iPhone)共にウイルスやマルウェアは存在していません。
スマホに不正なものが入るとすれば、それは「不正なアプリ」しかあり得ません。しかしアプリは必ずインストール作業が必要で、勝手に入ってしまうことはないのです。
したがってスマートフォンにはウイルスもトロイの木馬もそもそも感染しません。
スマートフォンに「ウイルス、マルウェアが感染しています」とか「トロイの木馬に感染しています」がでたら、その時点で詐欺広告と判断してください。
2.画面いっぱいに表示されるサポート詐欺のトロイの木馬の偽警告の消し方
とにかくすぐに消したいときはパソコンの電源ボタンを長押しして強制終了すれば良い
すぐに消してしまいたいときは「パソコンの電源を落として強制終了」しましょう。
ただし、電源スイッチやボタンを普通にポンと一回押しただけでは「スリーブ状態」といって、「今のままの状態を保存して終了」になってしまいます。これでは再度電源を入れるとまた警告画面が復活してしまいます。
電源スイッチやボタンを長押しして強制終了(7~8秒程度押したままで画面が真っ暗になるまで待つ)をしてください。これがもっとも簡単で確実な方法です。
※※強制終了後、再びネットにつなぐと「前回正常に終了しませんでした。復元しますか」と聴かれることがありますが、「復元しない」で下さい。復元するとまた偽警告が表示されてしまいます。
トロイの木馬の偽警告はブラウザー(クロームやエッジ)を閉じれば消える。では閉じ方は?
偽警告はホームページを見るソフトであるブラウザー(Chromeやedge)の画面をパソコンの画面いっぱいに広げてみせることで、他の操作をできなくしているだけでブラウザーを以下の方法で閉じてしまえば消すことができます。電源ボタン長押しで強制終了させても消えますが、「やりかけのデータを保存していない」などの理由でパソコンを強制終了したくないときにお試し下さい。
- キーボードの「ESC」をしばらく長押しする。すると全画面表示から通常表示に変わるので画面の右上隅の×をクリックして警告画面を削除する。
- キーボードから「Alt」と「f4」キーを同時に押して、「このページから移動して良いですか」は「OK」としてブラウザーを終了させる。
- 上記で消えないときは、「Ctrl」と「Alt」と「Delete」の3つのキーを同時に押して、「タスクマネージャー」を選択。タスクマネージャーの「プロセス」のリストの中より、ご自身がお使いのブラウザー(Google ChromeやMicrosoft edge)を選択し、右下の「タスクの終了」を押す。
※偽警告によっては「Alt」と「f4」、「Ctrl」と「Alt」と「Delete」の入力を無効にする例も発見されています。その場合は「電源ボタン長押し」で強制終了させてください。
で削除できます。
そのセキュリティ警告やマイクロソフトサポートは偽物。サポート詐欺です!
偽の警告でユーザーをだますサポート詐欺
サポート詐欺とは、インターネット広告の技術を悪用して、パソコンでネットを見ているときに、ブラウザ(Chrome、edgeなど)の画面に「トロイの木馬」「ウイルス感染」「システムの異常」などの偽警告を出して、警告を画面いっぱいに表示させてパソコン操作を不能にして、画面に表示された「マイクロソフトサポート」「Windowsヘルプライン」などの電話番号に電話させて、無意味なサポートサービスを売りつけて代金をだまし取る海外発の特殊詐欺です。 今までは広告の仕組みを悪用して、不正な広告を配信して、ネット上でたまたま訪れたサイトで以下のような「ウイルスに感染しました」「セキュリティ上の理由でブロックされています」などの偽警告を突然出して驚かせ電話させる手口が主流でした。
目を引く広告をクリックすると偽警告に誘導する手口が出現した
ところが広告各社が対策して「いきなり偽警告を出す」ことが難しくなったためか、人々がよく検索する言葉の結果に出でくるような偽サイトを多数構築して、うっかりクリックすると偽警告が出てくるような悪質な手口が多発しています。年末年始を狙って「年賀状」「クリスマスプレゼント」などの検索をするときは注意して下さい。
(0101)から始まる国際電話にかけさせる偽警告には特に注意しよう
昨今サポート詐欺の電話番号が050-~から(0101)-~に変わってきています。 「無料」と書かれていますが、うっかりここに電話してしまうと詐欺に巻き込まれるだけでなく多額の国際電話代もかかってしまいますから十分にご注意ください。
正常なパソコンに偽警告を出して電話させ、言葉巧みに金銭をだまし取るサポート詐欺の被害が続いています。ところが表示される偽警告への電話番号は050から(0101)からの番号に置き換わっています。この番号は実は海外への電話で高額の電話代もかかっ[…]
Facebookの怪しい広告からサポート詐欺に飛ぶケースもある
Facebookに「渡辺 謙さん、北野 武さん、宮崎 駿さん」ら有名人の写真を掲示し「日本のセレブ さようなら、あなたがいなくて寂しいです」というような思わせぶりあるコメントを載せた広告が配信され、クリックすると偽警告に飛ばされる事例が発見されています。 対処方法は同じですが、FacebookなどSNSの不審な広告は不正なリンクに誘導されることが多いので、好奇心でクリックしない様に気をつけてください。
大きな被害を発生させているサポート詐欺
サポート詐欺はユーザーをだまして不要なサービスの契約のためとしてサポート代金をだまし取ります。 彼らの説明は全て虚偽であり、サポート業務は何も行われません。 「サポート詐欺」または「テクニカルサポート(テクサポ)詐欺」「マイクロソフト詐欺」はオレオレ詐欺などと同様の特殊詐欺の一種です。 海外からの犯行のため、今のところ有効な解決策がなく、IPA、警察、マイクロソフトからも注意喚起が出でいます。 ■IPA:偽のセキュリティ警告に表示された番号に電話をかけないで!~ パソコンにおける最近の手口と対策を解説~ ■警視庁:「ウイルス感染の警告とサポートへの電話番号が表示された」 ■マイクロソフト:「テクニカル サポート詐欺から身を守る」 以下の特徴がひとつでもあればサポート詐欺、偽警告です!あなたのパソコンには危険はありません。 あわてず正しく対処して下さい
サポート詐欺の6つのポイント!
- ポップアップ画面で次々と新しい警告が開き、表示され続ける。
- けたたましい警告音や「トロイの木馬~」などの危険をあおるアナウンス音声が流れる。
- 「検索中○○%」と称したグラフ状のスキャン画面やカウントダウンの表示。
- 「○○分以内に」「画面を閉じると自己責任」「裁判所に通告する」などの脅迫めいた強い表現。
- 解決方法として特定のサービスやソフト、アプリを勧誘。
- 画面に問い合せ先のテクニカルサポート、マイクロソフトサービスセンターなどの電話番号やチャットの宛先が書かれている。
サポート詐欺がお金をだまし取る手口
サポート詐欺の流れ
突然の警告に驚いてサポート詐欺に電話すると、以下のような流れて詐欺にあってしまいます。
- 日本語ができる外国人(Mike Smith マイク・スミスと名乗ることが多い)が電話に出て、パソコンのキー操作を指示する。
- 指示にしたってキー入力すると遠隔操作のソフトを入れられてしまう。
- パソコンを遠隔操作で設定を変更して危険だと脅し、直すために3万から5万程度のサポート代金の支払いを要求する。
- コンビニで数万円のGoogleやAppleの電子マネーを買ってこさせる。
- 電子マネーのコードを伝えると「お前の発音が悪くて入力ミスして無効なった。後で返金する」などと何回も繰り返しカード買ってこさせる。
- 後日さらに「重ねて異常が検知された」などと電話してくることもある。
サポート代金はコンビニで電子マネーカード、ギフトカードを買ってこさせる手口が主流
サポート詐欺犯はかつてはクレジットカードで送金させていました。 しかしカード決済から足が着くのを恐れて、Google PlayカードやApple Gift Cardをコンピニで買って来させて、しかも「無効になった。後で返金するから別の物を買ってこい」などと複数回だまし取る方法が主流となっています。 ところが以下の報道のように、コンビニでの被害防止対策が進み、店員の機転で被害を未然に防ぐことが増えてきました。
サポート詐欺犯は電話で「使用目的を聞かれたらゲームと答えるように」などと姑息な対応も指示していましたが、着実に被害は減少してきていると考えられます。 そこで新たな手法が登場しました。新たな悪質な手法「ネット銀行口座から不正送金させる」
報道では以下のような悪質な手口が確認されています。
男性が電話をかけると海外のソフトウェア事業者の社員を名乗る男に「ネットバンキングにもセキュリティをかけないといけない」などと言われたため男性はネットバンキングのログインIDや送金に必要なワンタイムパスワードを教えました。 その後、男性が口座を確認したところ合計4回にわたって覚えのない送金履歴があり、現金あわせて1950万円がだましとられていたということです。 警察はパソコンに「ウイルスに感染した」などの表示が出たら詐欺を疑うよう呼びかけています。 ■引用元:ヤフーニュース“サポート詐欺”男性が約2千万円被害 広島
- ネット銀行サイトは本人だけが知るパスワードがないとログインできないため、遠隔操作中「あなたのパソコンが汚染されていてインターネット銀行にも被害が及んでいるから調査させてほしい」などと言って、被害者自身にネット銀行のサイトを開かせる。
- 遠隔操作して異常がないか調べる振りをして銀行の残高を確認する。
- 十分な残高があると確認すると、サポート代金を送金するように求める。残高から少なければ、従来と同様コンビニでギフトカードを買わせる。
- または「あなたの口座が危険だから一時的に資金を避難させよう」等と言って、指定して口座に送金させようとする。
- 送金は被害者自身しかできないため、金額を入力して送金する隙に、遠隔操作で「0」を付け加えるなどして、高額の不正送金をさせる。
遠隔操作だけでは送金でできなため、被害者自身に操作させ、遠隔操作によって送金額を操作したり不正な送金をさせるという極めて悪質な手口です。
肥後銀行の重要なお知らせ 「インターネットバンキングを利用したサポート詐欺」にご注意くださいのページです。店舗ATMの検…
電話番号を画面に入力させて折返し電話する新しい手口も出てきた
偽警告はパソコンやスマホに詳しい方はすぐに見破ることができますが、不慣れな方や高齢者が、マイクロソフトなどからの本物の警告と勘違いし、050や010からはじまるテクニカルサポートに電話してしまいます。 しかし電話番号の不正使用が厳しく規制されてきたためか、以下の様なポップアップ画面を表示させて電話番号を入力させ、マイクロソフトと偽るサポート詐欺犯から折返しかけてくる事例も増えてきました。
Amazonギフトカードの不正購入にも注意
「サポート詐欺」において、偽のサポート代金の支払いは、「コンビニにプリペイドカードを買いに行かされる」ことが多くなっています。最近、遠隔操作でAmazonのサイトを開いてギフトカード(デジタルタイプ)をその場で買わせて、相手(詐欺集団)に送信させる手口の相談を複数確認しました。1/3
— IPA(情報セキュリティ安心相談窓口) (@IPA_anshin) February 13, 2024
サポート詐欺の被害は拡大中!
サポート詐欺は以前よりあるサイバー攻撃でしたが、IPA(情報処理推進機構)様によると2023年になって相当増加しています。
安心相談窓口だより 【偽セキュリティ警告(サポート詐欺)の月間相談件数が過去最高に】 を公開しました。
本手口の相談件数が、2023年1月は過去最高の401件となりました。 パソコンの画面に表示されるセキュリティ警告画面の番号に電話をかけないでください!!https://t.co/QkknBln8Ld pic.twitter.com/rnbYkiNXFe — IPA(情報セキュリティ安心相談窓口) (@IPA_anshin) February 28, 2023
パソコンに突然「マイクロソフトセキュリティアラーム」「トロイの木馬ウイルスに感染して攻撃されています」「不審なアクティビティが原因で windows がブロックされました」などのアラートや警告音が流れ、至急Windowsサポートサービスに電[…]
全世界で被害が拡大~最新のFBIレポートからサポート詐欺の動向
FBIが出した「インターネット犯罪レポート2022(Internet Crime Report)」によると、サポート詐欺(Tech Support Scam)は2022年対前年で 231% 増加し、過去 2 年間で 800% 増えているそうです。 犯罪の本拠地はどうもインドらしく、インドとその周辺のアジアの不正なコールセンターで行われており、総額8億ドル(107億円)もの被害が発生し、半数の被害者が60歳以上とのことです。
■IPA:「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)画面の閉じ方体験サイト」
3.通知機能を悪用したトロイの木馬の偽警告の消し方
ブラウザーの設定を変更することで、誤って許可してしまった通知を削除すると簡単に消すことができます。
詳しくはパソコン、スマホ別の以下の記事を参考にしてください。
スマホやパソコンの使用中「ウイルスが検出されました」「マカフィー(McAfee)の警告」など右下に勝手に出てくるしつこい、うざいセキュリティー警告のプッシュ通知やポップアップに悩んでいる方。それはブラウザーの通知機能を悪用するブラウザーハイ[…]
Androidスマホを使っているとスマホの上端の通知領域(ステータスバー)に「システムチェックを強くおすすめします」などのセキュリティに関するスパム通知が次々に届くことがあります。これはChromeなどのブラウザーのWEBプッシュ通知を悪用[…]
トロイの木馬の偽警告が出た時、何か被害はあるのか?
「トロイの木馬」なんて今は感染しない。警告はすべてウソ!被害は無い
「トロイの木馬の警告」は、いわば悪質な広告に過ぎません。ただ表示されているだけでパソコンやスマホ自体には何の問題もありません。
偽警告さえ消すことができれば、パソコンもスマホもそのまま使用して全く問題ありません。
トロイの木馬とはかつて猛威をふるったマルウェアの種別ですが、パソコンやスマホのセキュリティが強化された現在、すっかり影を潜め、一般のユーザーが普通に使っていて、本物のトロイの木馬に感染する可能性は極めて少なくなりました。
トロイの木馬などという言葉を使うこと自体がこの警告のあやしさを表しています。
パソコンに突然「マイクロソフトセキュリティアラーム」「トロイの木馬ウイルスに感染して攻撃されています」「不審なアクティビティが原因で windows がブロックされました」などのアラートや警告音が流れ、至急Windowsサポートサービスに電[…]
個人情報が抜かれることはあり得ない!
「トロイの木馬の警告」が表示されたとしても、スマホやパソコン内の情報が相手に伝わることはあり得ません。
そもそもブラウザーでどのようなページを見ても、相手に個人を特定するような情報は絶対に伝わりません。「あなたの個人情報が漏れました」というような表示はすべて詐欺と思って大丈夫です。
決して警告を信じて信頼性の低いソフトやアプリを入れてはいけません。
本物の「トロイの木馬」とはどういうものか?
トロイの木馬とはウイルスの名前ではない
「トロイの木馬」とは、感染するとパソコン内に密かに潜んで、いろいろな被害を生み出すウイルスやマルウェア、不正なアプリの攻撃方法のことです。
「兵士を潜ませた大きな木馬を敵の城内に引き込ませて、内部から落城させた」というギリシャ神話に出てくるトロイア戦争の逸話から名付けられました。
しかし注意いただきたいのは、「トロイの木馬」はウイルス・マルウェアの攻撃方法の総称であって、ウィルス名ではないことです。
トロイの木馬タイプの攻撃をするウイルスとしては、有名なEmotet、またEmdiviとか多数ありますが、感染するとウイルス対策ソフトから具体的なウイルス名(例:Emotetに感染が疑われます)が表示されます。
サポート詐欺のように「トロイの木馬ウイルスに感染しました」というようなあいまいな警告は、正当な冷酷なら出てくるはずがなく、これだけで偽警告とわかります。
本物のトロイの木馬の感染経路は?
トロイの木馬のウイルスは「サイトを見ただけ、クリックしただけ」で感染することはない!
「トロイの木馬的な攻撃を行うウイルス・マルウェア」は、以下のような感染経路で感染します。感染するにはユーザーに何らかの行動を取られて初めて感染します。
ただサイトを見ただけ、添付ファイルを開いただけで感染するようなウイルスは今はなくなりました。
感染するにはユーザー自身がだまされて、うっかりインストールしてしまうことがほとんどで、以下のようなケースが想定されます。
感染経路1.- メールの添付ファイルを開いて実行してしまう
メールの添付ファイルを使って感染するケースです。今も企業で被害が続いているEmotetがこの感染方法です。
しかし「メールを見ただけ」「添付ファイルを開いただけ」ではウイルス・マルウェアは感染しません。開いた添付ファイルを解凍し、警告が出るのを無視して実行させてはじめて感染します。
今はセキュリティが強化されていますので、Emotetのような強力なマルウェアも簡単には感染はしないのです。
感染経路2.-SMSやSNSのやり取りからトロイの木馬を入れてしまう
SMSやSNSで相手を信用させて、「トロイの木馬的な攻撃を行うウイルス・マルウェア」をインストールさせる手口もあります。「SNS上で知り合った女性とやりとりしていて、勧められたソフトを入れてしまったためスマホの個人情報を抜き取られて脅迫された」というような実例があります。
感染経路3.-アプリやソフトウェアの不正なダウンロードサイトからトロイの木馬を入れてしまう
感染させることを目的に、「無料動画」「便利アプリ」などと偽って不正なダウンロードサイトを作り、訪問者に「トロイの木馬的な攻撃を行うウイルス・マルウェア」を入れさせるケースもあります。
ファイル共有ソフトが使われることもあります。
感染経路4.-偽の警告やポップアップからトロイの木馬を配布する不正サイトへ誘導させる
サイトを見ていると突然「あなたのパソコンがウイルスに感染しています」というような警告やポップアップを出して、不正なダウンロードサイトに誘導し、「トロイの木馬的な攻撃を行うウイルス・マルウェア」をインストールさせる手口もあります。
感染経路5.-OSやソフト、各種デバイスの脆弱性を突いてトロイの木馬を侵入される
ソフトや通信機器などには脆弱性と呼ばれる欠陥があります。この欠陥を見つけて侵入し、「トロイの木馬的な攻撃を行うウイルス・マルウェア」をインストールさせる手口があります。
しかしこれを実行するには、高度なスキルと大きな手間がかかるため、大きな金銭的な利益が期待できる企業や組織の攻撃に使われる手法であり、個人の方が狙われることはまずありません。
WIndows アップデートや各種ソフトや機器のファームウェアの更新をこまめにやっておられれば心配する必要はないでしょう。
本物のトロイの木馬に感染しないためには
以上でご説明した通り、本物の「トロイの木馬的な攻撃を行うウイルス・マルウェア」は、ユーザー自身がだまされて行動しない限り感染することはありません。
またほとんどのウイルスやマルウェアは、パソコンやスマホに入れようとするとはっきりとした警告が出ます。
- ファイルやデータを開くときに警告を見逃さない
- 無料や特典と言ったおとりに誘導されてダウンロードしたファイルやプログラムをインストーしない。
- パソコンやスマホから突然出てくるおどろかせるようなセキュリティ警告は信用しない
- Windowsやアプリ、その他の通信機器やデバイスのアップデートはもれなくすぐにやっておく
等を注意すれば過度に心配する必要はありません。
どうしたらトロイの木馬の偽警告が出なくなる?
サポート詐欺のトロイの木馬の偽警告はどうして出る?
詐欺警告は「サイトに表示される広告」を悪用して表示されます。
サイトやプログを訪問すると、さまざまな広告が表示されます。ほとんどの広告は固定されたものでなく、訪問者の趣味や嗜好にあわせてふさわしいと思われるものが配信されます。
ところが警告詐欺の犯人は、この配信される広告に不正なプログラムを紛れ込ませて、不正な広告を表示させようとします。普通の広告はクリックしないと開きませんが、不正な広告の場合はそのページを訪問しただけで勝手に画面1杯に拡大されて、閉じるボタン(×)もかくして表示されます。
もちろん広告配信会社もサイト側も対策は進めていますが、広告があまりに多く、犯人側も偽装して簡単にばれないようにしているため、完全に防ぐことができていません
どちらの方法でも、アクセスしたユーザー側は何も落ち度がなくても、偽サイトが表示されてしまうのです。
通知機能を悪用したトロイの木馬の偽警告は安易に「通知を許可」をしないこと
「ブラウザーのブッシュ(PUSH)通知機能」は、一般的なもので、ニュースサイトから個人ブログまで、同意があった読者に,記事の新着情報などを伝えるために、広く使われています。
「通知しても良いですか?の問い」に「許可」をクリックすると、それ以降、ポップアップ通知で偽物の警告が勝手に送られて、McAfeeなどの広告へ誘導されるようになります。
偽警告の犯人はこの「許可」をクリックさせるためだけにいろいろなおとり画面を作って、あなたに「許可」を押さそうとします。
ニュースサイトが新しいニュースを知らせてくれるような正しい通知は「許可」して構いませんが、だまされて許可してはいけません!
だまされないためには、上のような「許可を求めるボタン」は安易に押してはいけません!
サポート詐欺の本拠地はインド?
最新のFBIレポートからサポート詐欺の動向
FBIが出した「インターネット犯罪レポート2022(Internet Crime Report)」によると、サポート詐欺(Tech Support Scam)は2022年対前年で 231% 増加し、過去 2 年間で 800% 増えているそうです。
犯罪の本拠地はインドが多いようで、インドとその周辺のアジアの不正なコールセンターで行われており、総額8億ドル(107億円)もの被害が発生し、半数の被害者が60歳以上とのことです。
また海外の専門家がサポート詐欺のやりとりを逆探知して、犯人達のインドの会社を突き止めて犯人の顔写真を撮影し、返金するよう追求する動画もyouTubeに公開されています。
捜査は進みつつある。
アメリカの司法庁が解決に向けてインド政府とも行動をはじめ、複数の不法なコールセンターを摘発したとのことで、成果もあがりつつあります。
また2023年6月3日、「トロイの木馬」の偽警告でサポートをよそおい金銭を盗取した疑いでベトナム人が愛知県警に逮捕されました。
サポート詐欺は国内外で複数のグループが犯行を続けていると思われますが、全世界的に被害生じていますので、速やかな撲滅を期待したいです。
まとめ:
パソコンやスマホのセキュリティーが強固になった今、本当にパソコンやスマホがウイルスに感染することはほとんど無くなりました。
それよりも、むしろだまされて、不要なアプリやサポートサービスを買わされてしまう被害の方がはるかに多くなっています。
警告はまず「詐欺」と疑い、真偽を確認してから対応するようにしましょう。
「私のスマホやパソコンがハッキング、感染しているかも、、」本当にハッキングされているか確実に調べる方法は?
ネット上のデマや悪質業者の広告を信じてはいけない!
当ブログでご説明しているとおり、スマホやパソコンに突然現れる「ハッキングやウイルスの警告」は広告目的の詐欺警告がほとんどです。
しかし、まれとは言え、時には「不正なアプリをインストールされた」「アカウントを乗っ取られた」などが原因で本当にハッキングされることもあります。
「本当にハッキングされているかも、、」とどうしても心配なときは、ハッキングやウイルス感染などの調査を行っている専門会社に調査を依頼しましょう。
しかし、ネットで調べると、ハッキング調査を探偵や興信所が行っているところが見つかりますが、パソコンやスマホのセキュリティが強化されている現在、ログ解析などのハッキング調査は高度な技術と実績を持つ専門家しかできません。
より正確な情報を安全に調べるには、ハッキング調査の専門業者に相談しましょう。
おすすめのハッキング調査会社:デジタルデータフォレンジック
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