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デジタル時代のエンディングノートはどう作ってどこに保管すべきか?

大切なデジタル資産を守ってデジタル終活のイメージ
ご自身の意思や記録をエンディングノートとしてまとめておく重要性が広まってきました。
デジタル終活においてもエンディングノートのようにデジタル資産の詳細や意向をまとめる記録は必要です。しかし機密性の高いアカウント情報を含むデジタル関連の情報の記入や取扱は十分な注意が求められます。
アフターコロナの時代、天災や事故にも安心なデジタルエンディングノートについてどう記録し保存すべきかまとめました。
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デジタルエンディングノートは現在の終活では最重要な記録となっている

終活の中心は「デジタル終活」に移りつつある

終活は流行のキーワードとなり、多数の記事や書籍も発表されています。しかし「デジタル遺産」「デジタル遺品」まで考慮されたものはまだ少ないようです。

金融決済から日常のやりとりまで、ほとんどの行動がデジタル化されつつある現在、デジタルを考慮した終活、すなほち「デジタル終活」の位置づけは次第に増大しています。
今ではデジタル世代と言われる方には「デジタル終活」こそが終活の大半を占めるといっても言いすぎではないと思います。

ここ数年でエンディングノートに求められる内容は大きく変化してしまっている。

つい数年前までの終活といえば、

  1. 通帳や印鑑、金融資産の証書、株券などを整理して保管する
  2. 自分史やアルバムなど、生きた証を残す

といった作業を指しました。

エンディングノートは上記の所在や詳細に加えて、葬儀や終末期医療についての遺志を伝えるものとして用意され、多くのものは手書きのノート形式でした。
個人の意志を伝えるには確かにそれが最適だったと思えます。

アフターコロナの時代、終活の中身も大きく変化する?

しかし今ではどうでしょう?

  1. 金融や資産のほとんどはデジタル化。通帳や印鑑の代わりにアカウントや認証方法が急浮上。
  2. 写真アルバムや手紙のようなアナログ記録は激減し、ほとんどはスマホやネット上に保管されている。

金融資産の管理もデジタル化が進み、通帳や証券は廃止されつつあります。すでに引き出しや金庫を探しても資産の記録は見つからない時代になっています
この傾向はアフターコロナの時代はますます強くなるでしょう。まさに今は激変の過渡期であると思います。

過渡期の今は別途デジタルエンディングノートを作っておくべき

一般的なエンディングノートは多数販売されています。
またエンディングノートの書き方を教えるセミナーも盛んに開催されて、普及啓蒙する団体様も増えてきました。

遺言やエンディングノートの重要性が認識され理解が広まることは非常に有意義ですばらしいことだと思います。

しかし「個人の気持ち、遺志や生きた証」を記載するエンディングノートと、「データや事実」だけが確実に伝えなければならないデジタル関連の情報は、目的や使い方が全く異なり、なかなか同じノートには記載できません。

過渡期の現在では、当社では敢えて一般的なエンディングノートとデジタル関連のエンディングノートは別にするよう提唱いたします。記載方法や保管方法まで、全く異なるやり方で進めるようにご提案しています。

どうしてデジタルエンディングノートを別に用意すべきなのか?

更新が多く誤記が許されないデジタルエンディングノートは手書きは無理

市販あるいは配布されているエンディングノートの多くは文字通り「ノート形式」で手書き記入の物が大部分です。当社でも調べてみましたが、Word等データ形式で記入できる物は少数でした。

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エンディングノートのイメージ

やはり「エンディングノートは自ら思いのこもった手書きで記載したい」とお思いの方は多いからだと思います。

最も深い大切な個人の想いや意思を伝える書面ですので、これはある意味当然のことです。受け取る方にとっても手書きの方がありがたく、思い出としても手書きの方が貴重な記録として大切にできるでしょう。

しかし敢えて断言させていだきますが、デジタル関連のエンディングノートは以下の理由で手書きはしない方がよいと思います。

  • デジタル資産を表す「アカウント名」「サービス名」「アカウント情報」は、馴染みのない「カタカナや英数文字と記号」で記載されるケースが多く、手書きでは非常に紛らわしい。
  • 大文字と小文字、全角/半角の違いなど、1文字でも誤記・誤読されると使えなくなる。繰り返して間違えるとロックされたり削除されるサービスもある。
  • いったん完成すると、訂正・追加の機会が少ない一般的なエンディングノートと異なり、デジタル資産はサービスの追加や変さらによって、しばしば編集が必要となる。

つまり手書きではお気持ちはさておき、具体的な弊害が多く、作業としてもとても追いつきません。ここは合理的にデータで入力されるようお薦めします。

しかもデータで入力するにしても記録の形式や保管方法、保管場所にも十分な注意が必要です。

デジタル資産は一般の資産より「防犯や災害のリスク」を厳しく考えるべき

デジタル資産はアカウントを盗まれたら「終わり」

一般的な資産は払い戻しや売却といった方法で現金化するには一定の手続が必要です。
また権利を移行するにも通帳や印鑑、身元確認書類による厳密な本人確認や手続が必要です。これが紛失や盗難に対して、一定の抑止効果を生んでいます。

しかしデジタル資産の多くはIDとパスワードのアカウント情報が適合し認証さえ通過すれば、誰でも容易に移管や払い戻しができてしまうものが多いです。

また簡単に国外にも送ることができ、災害時などでは混乱に乗じて海外で使用されては取り戻しようもありません

その意味でデジタル資産のアカウントなどのデジタル情報は極めて大切であり、高いレベルで守るべき物です。

したがって容易に他人に閲覧されたり、コピーできる環境に記載や保管すべきではありません

高齢者を狙った経済犯罪の55%は身近な人が犯人

アメリカの記事ですが、高齢者をだまして財産を奪い取る犯罪の大半は身近な人によって引き起こされているとのことです。

・加害者は信頼できる友人のふりをして、退職者にとって分かりにくいお金の問題について“手助け”を行う。そして最終的には、貯金をごっそりとだまし取るのだ。
・毎年、米国の高齢者500万人が、程度の差こそあれ、介護士や友人、家族や財務顧問に騙されている
・55%のケースにおいて、加害者は家族あるいは介護士」である
との結果が示されている。今後さらに高齢化が進み、テクノロジーが進化していくと、経済的虐待の機会が劇的に増える可能性が高いとの見方だ。

■出展:Forbes Japan

治安の良い日本でも災害時は事件が起きてしまう

治安が良いと言われる日本ですが、日常でも空き巣の被害は多いです。しかも災害時、一斉に避難している際の空き巣「火事場泥棒」被害も目立つようになってきました。
東日本大震災や熊本地震の時も、人気の少ない地域でそれなりに警戒されていながら、多くの被害が発生してしまいました。

近い将来の大規模災害の発生を考慮してデジタル資産の保管を考える

残念ながら、世界的な異常気象や「既に活動期に入った」と言われる地殻変動の影響で、日本のどこにいても大きな自然災害に遭遇する可能性は常にあります。

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東日本大震災の津波の惨状

しかも首都圏や東南海という「超人口過密地域を大きな災害が襲った際」、果たして平素のように秩序や治安が良好に保てるか、これは慎重に考える必要があると思います。

なかなかイメージできにくいことですが、残された資産や思い出、私たちの生きた証を残すためにも「パソコンやスマホといったデジタル機器とデジタル関連のエンディングノートを同時に失ってしまうような記録方法や保管」はしてはいけないと思います。

日常の事故のリスクも忘れてはいけない

自然災害だけでなく、火災その他の身近な災害によって、資産を消失する危険は誰にとってもあり得ます。

万一、家や家財は火災で失っても、デジタル資産は適切に保管しておけば被害は受けません。逆にせっかくのデジタル資産も自宅のPCやスマホに保管していただけでは、家財と同時にデジタル資産も失ってしまうリスクもあるのです。

デジタル資産は天災や事故の影響を受けない形で記録・保管し、きちんとデジタル終活すべき理由はここにもあるのです。

デジタルエンディングノート作りは継続した活動です

一回作っただけでは終わらないデジタルエンディングノート

かつての終活では「資産や身の回りのものを整理し」「エンディングノートや遺言書を用意」すればいったんは終わりでした。

しかし、デジタル時代の終活はそうはいきません。日々新しいサービスが生まれ、デジタル資産の管理方法も新しく刷新されます。IDやパスワードも更新されるでしょう。

一回作ったデジタルエンディングノートの中身は刻々変化する内容を反映したもので無いと意味がありません、

エンディングノートの更新を怠らないためには?

当社では、デジタルエンディングノートを含む「デジタル終活」を、単に「デジタルに関わる一回限りの終活活動」と考えるのではなく、以下のような手順を日常的続ける活動の延長線上に置くようご提案しています。

  1. 日々新しく生まれるデジタル資産を「デジタル遺産とデジタル遺品」に分けて漏れなく整理する。
  2. 各種アカウントはその都度整理し、不要なものは削除(アカウントの断捨離)。
  3. アカウントやデジタル資産、デジタル機器には重要度に応じた安全対策を施す。
  4. アカウントやデジタル資産は、安全な場所に確実な方法で保管する。
  5. 上記の内容をデジタルエンディングノートに記載し、日常的に活用するだけでなく、変更があれば更新し、確実に受けわたす準備をしておく。

ということになります。

これは大変そうですが、正しく安全に日常のデジタルを使っていけば、デジタル終活も完成できるということに他なりません。別途パスワード管理ツール(パスワードマネージャー)のような便利なツールを使うと、アカウント情報はデジタルエンディングノートに記載する必要が無くなり、日常のデジタル使いとデジタル終活を同時に実現することもできます。

仕組みやツールをうまく使い、正しいノウハウを獲得できれば、どなたでも実現できます。

詳しくは以下の記事をご覧ください。また別途ご案内させていただきます。

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当サイトは「デジタル終活」とはお年寄りの終活とは異なり、「日頃からIDやパスワードなどデジタル資産を管理し、不要な物は断捨離し、デジタルを安全に使いながら継承も準備しておく」といった一連の作業と考えています。これが完成すれば、自身も安心[…]

デジタル終活を終えて幸せそうなシニアカップル

まとめ:
デジタル時代のエンディングノートはどう保管すべきか

デジタル関連のエンディングノートは、パスワードなどでロックできるデータとして作成し、盗難や災害にそなえて安全な場所に保管することをお勧めします。

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東日本大震災の津波の惨状

専用のアプリやソフトもありますが、汎用的なExcelやWordのデータにデジタル資産の内容を記入し、保管する際に「10数桁以上の長く容易に推測できないパスワード」をつけて保管すると、実質解読は不可能となります。

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また大切な情報は1個所にまとめるのではなく、分散して保管し、両方が揃ってはじめて有効に使えるようにすると安全性が飛躍的に高まります。

当社ではこの考え方を「多要素分散保管」と名付け、簡単で確実な保管方法として提唱したいと思います。

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アカウントの本人認証を、パスワードだけでなく複数の方法を組み合わせて行う「二段階認証(二要素認証)」の大切さは何度もお話ししています。この考え方を応用するとアカウントの保護だけでなく、あなたの大切な物や機密情報の保管の際にも役に[…]

多要素認証・二段階認証のイラスト

さらに大切なアカウント情報は、デジタルのエンディングノートではなく、パスワード管理ツール(パスワードマネージャー)を使って保管するようにすると、安全面でも利便性でも、飛躍的にすぐれたデジタル環境が実現できます。

それぞれの具体的な手法は別途当ブログでご説明します。

 

 

「デジタル終活」を知るための4冊の本のおすすめ

「デジタル終活」については、当サイトでもいろいろな側面からご説明していますが、デジタル終活の必要性や、「もしデジタル終活をしていなかった、どんな被害につながるか」「法律から見たデジタル遺品」などのテーマで詳しく解説された4冊の良書をご紹介します。

特にデジタル遺品問題に長く真剣に取り組んでこられた古田雄介氏の3冊の著作は、どなたにもご一読をお薦めいたします。「スマホの中身~」と「個人サイト」の2冊をご覧になるとデジタル終活の必要性が痛感いただけるでしょう。
また北川祥一氏の「デジタル遺産の法律知識」はアカウントから仮想通貨まで幅広い内容を専門家がQ&A方式でわかりやすく解説してくれます。