デジタル時代のエンディングノートはどう作って保管すべきか?

ご自身の意思や記録をエンディングノートとしてまとめておく重要性が広まってきました。
デジタル終活においてもエンディングノートのようにデジタル資産の詳細や意向をまとめる記録は必要です。しかし機密性の高いアカウント情報を含むデジタル関連の情報の記入や取扱は十分な注意も求められます。
天災や事故にも安心なデジタル関連のエンディングノートについてどう記録し保存すべきかまとめました。

大切なデジタル資産を守ってデジタル終活のイメージ

当社がお薦めするデジタル終活の流れ

当社はデジタル終活を、単に「デジタルに関わる終活」と考えるのではなく、以下のような手順で進める日常的な活動とするようご提案しています。

  1. デジタル資産を「デジタル遺産とデジタル遺品」に分けて漏れなく整理する。
  2. オンラインサービスのアカウントを整理し、不要なアカウントは削除(アカウントの断捨離)
  3. アカウントやデジタル資産に重要度に応じた安全策を施す
  4. アカウントとデジタル資産を安全な場所に確実な方法で保管する
  5. ご家族や大切な方へデジタル遺品やデジタル資産を継承するため、記録を残し、受けわたす準備をする。

また以上の活動は一気に行うのではなく、

・日常のデジタル使いの中で段階的に実施していき、最終的にデジタル安全とデジタル終活を完了させる
・完了後もルールに沿ってデジタルを使い続けデジタル資産を保管することで、安全に確実なデジタル資産の継承を実現する

ことをお勧めしています。

詳しくは以下の記事をご覧下さい。

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デジタル終活を終えて幸せそうなシニアカップル

デジタル終活にもエンディングノートは必要だが?

当然のことですが、デジタル終活においても、後世にデジタル資産(デジタル遺品とデジタル遺産)を伝えるためには記録が必要ですので、エンディングノートのように、きちんと記録にまとめて準備しなければなりません。

しかし当社では敢えて一般的なエンディングノートとデジタル関連のエンディングノートは別にするよう提唱いたします。つまり記載方法(手書きかデータ入力か)や保管方法まで、全く異なるやり方で進めるようにご提案しています。

どうしてデジタル関連のエンディングノートは別に作るべきなのか?

一般のエンディングノートとデジタル資産は別に記載すべき理由

一般的なエンディングノートは多数販売されています。
またエンディングノートの書き方を教えるセミナーも盛んに開催されて、普及啓蒙する団体様も増えてきました。

当社もエンディングノートの有用性について理解が広まることは非常に有意義ですばらしいことだと思います。

しかし「個人の気持ち、遺志や生きた証」を記載するエンディングノートと、「データと事実」だけをまず確実に伝えなければならないデジタル関連の情報は、目的や使い方が全く異なり、なかなかなじみません。
同列で扱うべきでなく、別の物として扱う方が適当と思います。

その理由は以下の通りです。

デジタルエンディングノートは手書きは難しい

市販あるいは配布されているエンディングノートの多くは文字通り「ノート形式」で手書き記入の物が大部分です。当社でも調べてみましたが、Word等データ形式で記入できる物は少数でした。

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エンディングノートのイメージ

やはり「エンディングノートは自ら手書きで記載したい」とお思いの方は多いからだと思います。

最も深い大切な個人の想いや意思を伝える書面ですので、これはある意味当然のことです。受け取る方にとっても手書きの方がありがたく、思い出としても手書きの方が貴重な記録として大切にできるでしょう。

しかし敢えて断言させていだきますが、デジタル関連のエンディングノートは以下の理由で手書きはしない方がよいと思います。

  • デジタル資産を表す「アカウント名」「サービス名」「アカウント情報」は、馴染みのない「カタカナや英数文字と記号」で記載されるケースが多く、手書きでは非常に紛らわしい。
  • 大文字と小文字、全角/半角の違いなど、1文字でも誤記・誤読されると使えなくなる。繰り返して間違えるとロックされてしまうサービスもある。
  • いったん完成すると、訂正・追加の機会が少ない一般的なエンディングノートと異なり、デジタル資産はサービスの追加や変更によって、しばしば編集が必要となる。

つまり手書きではお気持ちはさておき、具体的な弊害が多く、作業としてもとても追いつきません。ここは合理的にデータで入力されるようお薦めします。

しかもデータで入力するにしても記録の形式や保管方法、保管場所にも十分な注意が必要です。

デジタル資産は一般の資産より「防犯や災害のリスク」を厳しく考えるべき

デジタル資産はアカウントを盗られたら「終わり」

一般的な資産は払い戻しや売却といった方法で現金化するには一定の手続が必要です。
また権利を移行するにも書類による厳密な本人確認や手続が必要です。これが紛失や盗難に対して、一定の抑止効果を生んでいます。

しかしデジタル資産の多くはIDとパスワードのアカウント情報が適合し認証さえ通過すれば、誰でも容易に移管や払い戻しができてしまうものが多いです。
また簡単に国外にも送ることができ、災害時などでは混乱に乗じて海外で使用されては取り戻しようもありません

その意味でデジタル資産のアカウントなどのデジタル情報は極めて大切であり、高いレベルで守るべき物です。

したがって容易に他人に閲覧されたり、コピーできる環境に記載や保管すべきではありません

高齢者を狙った経済犯罪の55%は身近な人が犯人

アメリカの記事ですが、高齢者をだまして財産を奪い取る犯罪の大半は身近な人によって引き起こされているとのことです。

・加害者は信頼できる友人のふりをして、退職者にとって分かりにくいお金の問題について“手助け”を行う。そして最終的には、貯金をごっそりとだまし取るのだ。
・毎年、米国の高齢者500万人が、程度の差こそあれ、介護士や友人、家族や財務顧問に騙されている
・55%のケースにおいて、加害者は家族あるいは介護士」である
との結果が示されている。今後さらに高齢化が進み、テクノロジーが進化していくと、経済的虐待の機会が劇的に増える可能性が高いとの見方だ。

■出展:Forbes Japan

治安の良い日本でも災害時は事件が起きてしまう

治安が良いと言われる日本ですが、日常でも空き巣の被害は多いです。しかも災害時、一斉に避難している際の空き巣「火事場泥棒」被害も目立つようになってきました。
東日本大震災や熊本地震の時も、人気の少ない地域でそれなりに警戒されていながら、多くの被害が発生してしまいました。

近い将来の大規模災害の発生を考慮してデジタル資産の保管を考える

残念ながら、世界的な異常気象や「既に活動期に入った」と言われる地殻変動の影響で、日本のどこにいても大きな自然災害に遭遇する可能性は常にあります。

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深刻な異常気象や未曾有の災害に直面している現在、私たちはどうしたら自分の資産や思い出の品を守ることができるのでしょう。 もはや発想を転換して「物の所有からデジタルへ」移行を進めることがひとつの回答であり、有力な対策となります。 東日本大[…]

東日本大震災の津波の惨状
しかも首都圏や東南海という「超人口過密地域を大きな災害が襲った際」、果たして平素のように秩序や治安が良好に保てるか、これは慎重に考える必要があると思います。

なかなかイメージできにくいことですが、残された資産や思い出、私たちの生きた証を残すためにも「パソコンやスマホといったデジタル機器とデジタル関連のエンディングノートを同時に失ってしまうような記録方法や保管」はしてはいけないと思います。

日常の事故のリスクも忘れてはいけない

自然災害だけでなく、火災その他の身近な災害によって、資産を消失する危険は誰にとってもあり得ます。
万一、家や家財は火災で失っても、デジタル資産は適切に保管しておけば被害は受けません。逆にせかくのデジタル資産も自宅のPCやスマホに保管していただけでは、家財と同時にデジタル資産も失ってしまうリスクもあるのです。

デジタル資産は天災や事故の影響を受けない形で記録・保管し、きちんとデジタル終活すべき理由はここにもあるのです。

まとめ:
デジタル時代のエンディングノートはどう保管すべきか

デジタル関連のエンディングノートは、パスワードなどでロックできるデータとして作成し、安全な場所に保管することをお勧めします。

専用のアプリやソフトもありますが、汎用的なExcelやWordのデータにデジタル資産の内容を記入し、保管する際に「10数桁以上の長く容易に推測できないパスワード」をつけて保管すると、実質解読は不可能となります。

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また大切な情報は1個所にまとめるのではなく、分散して保管し、両方が揃ってはじめて有効に使えるようにすると安全性が飛躍的に高まります。

当社ではこの考え方を「多要素分散保管」と名付け、簡単で確実な保管方法として提唱したいと思います。

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多要素認証・二段階認証のイラスト

更に大切なアカウント情報は、デジタルのエンディングノートではなく、パスワードマネージャーを使って保管するようにすると、安全面でも利便性でも、飛躍的にすぐれたデジタル環境が実現できます。

それぞれの具体的な手法は別途ご説明していきます。

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「このブログとデジタルキーパー社」
このブログはデジタルキーパー株式会社が「デジタルの安全な使用と継承~デジタルキーピング」をテーマに、「スマホ、PCの安全な使用方」から「正しいパスワード」「不正アクセスの防ぎ方」「デジタル遺品管理などデジタル終活の方法」まで、様々なノウハウをご紹介するブログです。
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