突然出てきた警告はおとり広告で偽物。サポート詐欺です!
偽の警告でユーザーをだまし電話させようとするサポート詐欺
サポート詐欺とは、インターネット広告の技術を悪用して、パソコンでネットを見ているときに、ブラウザ(Chrome、Edge、Safariなど)の画面に「トロイの木馬」「ウイルス感染」「システムの異常」「管理者ログイン」などの偽警告を画面いっぱいに表示させてパソコン操作をできなくさせ、画面に表示された「マイクロソフトサポート」「Windowsヘルプライン」などの電話番号に電話させて、無意味なサポートサービスを売りつけて代金をだまし取る海外の特殊詐欺です。
「このコンピューターへのアクセスはセキュリティ上の理由でブロックされています」というようなアナウンスや警告音が鳴ることもあります。
以下の偽警告では、Windowsの設定画面を模した偽画面を表示させています。どこをクリックしても、×を押しても画面を閉じることはできず、アナウンスも止まりません。驚いた方が電話してしまい、詐欺にあってしまいます。
(0101)に電話すると高額な国際電話がかかってしまう
昨今サポート詐欺の電話番号は(0101)-~の事が多いです。以前は(050)からはじまる無料電話でしたが、対策されて使えなったようで、今はフリーダイヤルと表示されていますが、実は高額な電話代金がかかる国際電話をかけさせようとします。
正常なパソコンに偽警告を出して電話させ、言葉巧みに金銭をだまし取るサポート詐欺の被害が続いています。ところが表示される偽警告への電話番号は050から(0101)からの番号に置き換わっています。この番号は実は海外への電話で高額の電話代もかかっ[…]
サポート詐欺の偽警告はどうして出るのか?
偽警告は単なるおとり広告です。
偽警告はひと言で言うと「電話させるためのおとり広告」です。
現在ネット上に多数の同様な不正広告が出稿されていて、誰でも常に遭遇する危険があります。
IPA(情報処理推進機構)様の以下の資料に、詳細な画面例が掲載されていますのでぜひご覧下さい。
情報処理推進機構(IPA)の「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ」に関する情報です。…
現在ネットのホームページにある「次へ」「click to continue」「次のページへ」「続ける」「開く」等のボタンを押したら「トロイの木馬に感染しました」「パソコンをブロックしました」などのマイクロソフトを装ったウイルス感染のアラート[…]
偽警告が出る2つの仕組み
IPA(情報処理推進機構)様の上記資料に
・不審な広告のクリック
・不審なサイトに誘導する検索結果をクリック
・アダルトサイトの動画再生ボタンをクリック
・ブラウザの通知機能を悪用した偽のセキュリティ警告通知をクリック
等によって偽警告に誘導されると説明されていますが、現在確認されている偽警告の仕組みは
- クリックする様に偽装・誘導するボタンやリンク(URL)をクリックする
- 「勝手に開く不正な広告」が配信されたサイトを訪問してしまう
の2つがあります。
どちらも、偽警告が書かれた広告を全画面で開くことでパソコン操作を妨害し、閉じるボタン(×)を隠すことで表示を消せなくして、電話させようとする誘導広告です。
また偽警告は、「マウス表示を隠す」「alt+f4キーによる閉じる動作を無効にする」といった機能を持つものもありますが、あくまで広告上の表示だけでパソコンには何の影響も及ぼしません。
「ビービーという警告音」「女性のマイクロソフトを偽装するアナウンス音声」が流れることもありますが、音声がでる広告と同様の仕組みを使っているだけで、何も心配なことはありません。
サポート詐欺の偽警告は「ただの広告が表示されている」だけです。それ自体には何の危険もありません。うっかり信じて電話することで被害にあってしまいます。
サポート詐欺の偽警告を出ないようにする対策は?
偽警告は広告なのでセキュリティソフトは無力
セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)は不正なプログラムであるコンピューターウイルスがパソコンに入ろうとすると検知して警告・削除するものです。しかし偽警告の実態である広告は不正なプログラムではないため、セキュリティソフトは全く検知しません。
またサポート詐欺は、サポート代金をだまし取る詐欺が目的で、「ウイルスを感染させる」といった二次被害は確認されていません。
ウイルス対策ソフトはサポート詐欺には関係なく対策になりません。
偽警告の広告を防ぐ方法はない。広告掲載側の対応を待つしかない
IPA(情報処理推進機構)様の上記資料に書かれているとおり、偽警告に誘導する不正な広告は、ネット上に多数出稿しています。
またサポート詐欺は大変儲かる犯罪らしく、高額の広告費を使って膨大な量の広告が出稿されているようです。
一例として、以下の実例のように2024年4月18日現在、MicrosoftのBingで「楽天」「ヤフー」と検索して最上位に出でくるリンクをクリックすると偽警告が出てきます。
Google検索には多数の同様の不正広告が出稿されています。
現在前沢友作氏が有名人の名をかたる詐欺投資サイト「なりすましサイト」の取締について、Facebookを訴えると話題となっていますが、偽警告も同様で、広告を掲載している検索エンジンが高収益の不正広告をチェックもせずに収益目当てで掲載したままにしていることがこそが問題の根本だと思います。
Googleやマイクロソフトなど検索エンジンの運営企業には、誠実な対応を強く求めたいです。
遠隔から電話などで被害者をだましてマルウェアのインストールなどに誘導する“サポート詐欺”が頻発しています。Googleや…
簡単に消せるので偽警告が出たら消去すれば大丈夫
サポート詐欺の偽警告を出さなくすることは現状では難しいですが、実態はただの広告に過ぎず、パソコンには何ら悪影響はありません。
蒸してしまえば終わりですので、書かれていることやアナウンスの音声に惑わされず、冷静に偽警告を消してしまいましょう。
サポート詐欺の偽警告の消し方
とにかく消したいときはパソコンの電源ボタンを長押しして強制終了すれば良い
すぐに消してしまいたいときは「パソコンの電源を落として強制終了」しましょう。
ただし、電源スイッチやボタンを普通に押しただけでは「スリーブ状態」といって、「今のままの状態を保存して終了」になってしまいます。これでは再度電源を入れるとまた警告画面が復活してしまいます。
電源スイッチやボタンを長押し(7~8秒程度押したままで画面が真っ暗になるまで待つ)をしてください。
「異常なアクティビティによりウィンドウズがロックされました」はただの広告なのでWindowsを終了すれば消えてしまいます。パソコンには何の悪影響も残りません。
※次にブラウザを立ち上げたときに「前回正常に終了しませんでした。前回の画面を復元しますか?」と聞かれても復元しないでください。復元してしまうと再び警告画面が出てきてしまいます。
偽のセキュリティ警告はブラウザー(クロームやエッジ)を閉じれば消えてしまう
偽警告はブラウザーを閉じるかパソコンを再起動すると消えます。ブラウザーが終了できないときは、以下の方法を上から順にお試し下さい。面倒なら「パソコンの電源ボタンの長押し」でパソコン全体を強制終了しても消えます。
- キーボードの「ESC」をしばらく長押しする。すると全画面表示から通常表示に変わるので画面の右上隅の×をクリックして警告画面を削除する。
- キーボードから「Alt」と「f4」キーを同時に押して、「このページから移動して良いですか」は「OK」としてブラウザーを終了させる。
- 上記で消えないときは、「Ctrl」と「Alt」と「Delete」の3つのキーを同時に押して、「タスクマネージャー」を選択。タスクマネージャーの「プロセス」のリストの中より、ご自身がお使いのブラウザー(Google ChromeやMicrosoft edge)を選択し、右下の「タスクの終了」を押す。
※偽警告によっては「Alt」と「f4」、「Ctrl」と「Alt」と「Delete」の入力を無効にする例も発見されています。その場合は「電源ボタン長押し」で強制終了させてください。
で削除できます。
詳しくはは以下の記事もご覧ください。
突然パソコンやタプレット、Androidスマホに「あなたのパソコンはトロイの木馬に感染しています」「ブロックされています」などと警告が表示されることがあります。また同時に警告音が鳴ったりアナウンスが流れることもあります。しかしこれら表示[…]
ネットをしているといきなり警告音が鳴り「あなたのパソコン(スマホ)はウイルスが感染しています」「システムが損傷しています」との画面が表示され残り時間が表示されて「今すぐ対応を」と求められるるケース。それはシステム警告詐欺です!本物の警告は、[…]
大きな被害を発生させているサポート詐欺
サポート詐欺はユーザーをだまして不要なサービスの契約のためとしてサポート代金をだまし取ります。
彼らの説明は全て虚偽であり、サポート業務は何も行われません。
「サポート詐欺」または「テクニカルサポート(テクサポ)詐欺」「マイクロソフト詐欺」はオレオレ詐欺などと同様の特殊詐欺の一種です。
海外からの犯行のため、今のところ有効な解決策がなく、IPA、警察、マイクロソフトからも注意喚起が出でいます。
■IPA:偽のセキュリティ警告に表示された番号に電話をかけないで!~ パソコンにおける最近の手口と対策を解説~
■警視庁:「ウイルス感染の警告とサポートへの電話番号が表示された」
■マイクロソフト:「テクニカル サポート詐欺から身を守る」
サポート詐欺の被害は拡大中!
サポート詐欺は以前よりあるサイバー攻撃でしたが、IPA(情報処理推進機構)様によると2023年になって相当増加しています。
安心相談窓口だより
【偽セキュリティ警告(サポート詐欺)の月間相談件数が過去最高に】
を公開しました。本手口の相談件数が、2023年1月は過去最高の401件となりました。
パソコンの画面に表示されるセキュリティ警告画面の番号に電話をかけないでください!!https://t.co/QkknBln8Ld pic.twitter.com/rnbYkiNXFe— IPA(情報セキュリティ安心相談窓口) (@IPA_anshin) February 28, 2023
全世界で被害が拡大~最新のFBIレポートからサポート詐欺の動向
FBIが出した「インターネット犯罪レポート2022(Internet Crime Report)」によると、サポート詐欺(Tech Support Scam)は2022年対前年で 231% 増加し、過去 2 年間で 800% 増えているそうです。
犯罪の本拠地はインドが多いようで、インドとその周辺のアジアの不正なコールセンターで行われており、総額8億ドル(107億円)もの被害が発生し、半数の被害者が60歳以上とのことです。
また海外の専門家がサポート詐欺のやりとりを逆探知して、犯人達のインドの会社を突き止めて犯人の顔写真を撮影し、返金するよう追求する動画もyouTubeに公開されています。
■IPA:「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)画面の閉じ方体験サイト」
その他サポート詐欺の注意点や対処方法は?
パソコンに突然「マイクロソフトセキュリティアラーム」「トロイの木馬ウイルスに感染して攻撃されています」「不審なアクティビティが原因で windows がブロックされました」などのアラートや警告音が流れ、至急Windowsサポートサービスに電[…]
偽警告によるサポート詐欺の被害が拡大しています。2022年6月8日テレビ朝日の「モーニングショー」でも、コロナ禍でサポート詐欺が激増し4億円もの被害が出ていることが紹介されました。「不審なアクティビティが原因で windows がブロックさ[…]
まとめ:
今のパソコンやは安全で感染することは滅多に無い。不正な広告の偽警告に惑わされないことが大切。
「私のスマホやパソコンがハッキング、感染しているかも、、」本当にハッキングされているか確実に調べる方法は?
ネット上のデマや悪質業者の広告を信じてはいけない!
当ブログでご説明しているとおり、スマホやパソコンに突然現れる「ハッキングやウイルスの警告」は広告目的の詐欺警告がほとんどです。
しかし、まれとは言え、時には「不正なアプリをインストールされた」「アカウントを乗っ取られた」などが原因で本当にハッキングされることもあります。
「本当にハッキングされているかも、、」とどうしても心配なときは、ハッキングやウイルス感染などの調査を行っている専門会社に調査を依頼しましょう。
しかし、ネットで調べると、ハッキング調査を探偵や興信所が行っているところが見つかりますが、パソコンやスマホのセキュリティが強化されている現在、ログ解析などのハッキング調査は高度な技術と実績を持つ専門家しかできません。
より正確な情報を安全に調べるには、ハッキング調査の専門業者に相談しましょう。
おすすめのハッキング調査会社:デジタルデータフォレンジック
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