1.売却などでスマホ内の全データを完全に削除するには?~iPhoneとAndroidそれぞれの方法
1.スマホ内でデータを「暗号化しているか/していないか」で大きく変わる削除方法
スマホを売却したり捨てたりするとき、「すべてのデータを完全に削除」するには、iPhoneとAndroidでは方法が大きく違います。
これはスマホ内のデータを保存する時に「暗号化しているか」「していないか」の違いです。
暗号化したデータの以下のように、暗号の鍵が無いと元に戻せませんし、復元もできません。
- 暗号化する時は、「ある文字列を鍵」として暗号化する。
- 暗号を元のデータに戻す時(復号といいます)も、この「鍵の文字列」を使って暗号を復号する。
- 暗号化されたデータを読み書きする時は、必ず「鍵の文字列」が必要
- つまり、「鍵の文字列」を消してしまえば、データは2度と読めなくなる。
復元もできません。
スマホの暗号化の状況については、以下のように機種によって違います。
iPhoneは最初から自動的に暗号化されているため、配ありません。
Android・・・最新機種は最初から暗号化されているはずだが、確認必要
2.iPhoneのスマホ内全データ完全削除(消去)は初期化でOK
iPhoneの場合は、iOSの機能で初期化すれば大丈夫です。
今のiOSでは、内部のすべてのデータは自動的に暗号化されていて、暗号化する際のキーの「鍵の文字列」はiPhone内に保存されています
初期化すると「鍵の文字列」も自動的に完全消去するようになっているため、データが残っていても全く解読不可能になります。
したがってiPhoneは初期化するだけで全テータを完全に削除できますので安心です。
初期化の方法については以下のAppleサイトをご参照ください。
3.Androidスマホの古い機種は「暗号化されているか」確認が必要
Android 6以降が入っている端末はとりあえず初期化すればOK
Androidスマホの場合は、「今使われているすべての端末が自動的に暗号化されているとは限らない」ので注意が必要です。
現在の最新のAndroidのOSは「Android 10」です。「8」や「9」をお使いの方も多いと思います。
2015年秋に発表された「Android 6」以降は原則として自動的にデータは暗号化が施されてるはずです。
暗号化が施されている場合は、iPhoneと同様、初期化すれば「鍵の文字列」が消されてデータは解読不能となるため、安心です。
暗号化されているかどうかは?「設定」の中の「セキュリティ」の画面で容易に確認できますが、具体的な確認方法は機種によって大きく異なります。「暗号化の鍵となる文字列」をユーザーが決められる機種もあります。
お使いの機種のマニュアルを「暗号化」で検索してお調べください。
暗号化されていないAndroidスマホはどうやってデータを削除するか?
- 売却する前に、手動で暗号化してから初期化する。
- 専用のデータ削除ソフトを使う。
の方法があります。
専用のデータ削除ソフトを購入しなくても、暗号化さえしてしまえば、他人が解読することはできません。
初期化してデータを消去すれば安心です。
暗号化されているかは「設定」-「セキュリティ」のメニューから確認できます。
どうしても全削除のソフトが必要な場合は「Android データ削除」などで検索してお調べください。
AndroidはSDカードにも注意
SDカードが使えるAndroidスマホでは、SDカードは暗号化されていません。
機種によって異なりますが、「設定」-「ストレージ」のメニューで、SDカード(外部記憶媒体)を選択して、「SDカードの暗号化」ができます。
万一の紛失時した時、本体は画面ロックで守られたとしても、暗号化していないSDカードの中は丸見えです。
安全を考えると、SDカードも暗号化しておいた方が良いと思います。
スマホの一部のデータだけ完全に削除する方法は?
iPhoneの写真や動画は完全削除されるので安心。しかし残ってしまうデータもあります。
iPhone、iPadではゴミ箱のアイコンをタップすることで、写真やビデオが削除されます。
削除した写真やビデオは「最近削除した項目」アルバムの中に移動され、 30 日間保管された以降は完全に削除されます。
すぐに完全削除したい場合は、「最近削除した項目」アルバムの中で街頭の写真を「削除」すると完全削除されます。
しかし注意が必要なのは完全に消えるのは写真と動画だけで、「連絡先」「メッセージ」「メモ」といったデータは自動的に完全削除されることはありません。
暗号化されているスマホでも、見られたくない写真やデータは「完全削除」が必要です
暗号化を施しているスマホは、売却したり、あるいは紛失した場合は、ロックのパスワードを知らない場合は、解読が不可能となります。
しかし、あなたの死後、スマホは家族や信頼できる人に継承するデジタル終活を考えると、ロックを解除するパスワードも知らせることになりますので、暗号化していてもスマホの中は見られることになります。
ということは、削除しただけの写真やデータは、復元アプリを使うと「見られてしまう」可能性はあります。
あまり神経質になる必要はないかもしれませんが「絶対に見られたくないデジタル遺品、すなわち写真やデータは完全に削除する対策」が必要です。
PCでも同様ですが、特にスマホでデジタル終活でデータ断捨離をするときは、「全体はそのままで、特定の(恥ずかしい消したい)写真やデータだけを、いわばシュレッダーのように削除する機能」が必要となります。
スマホのあるデータだけを完全削除できるスマホアプリやソフトは?
特定のファイルやフォルダーが完全削除できるソフトは無料の物も含めて多数あります。
しかし無料の物は「海外製で責任の所在がはっきりしない物」「日本語の説明が無いもの」「開発時期が古く最新のWindows10に対応していないもの」もあります。
完全削除ソフトは誤作動すると大きな問題につながりますので、しっかりした会社様が開発した信頼できる有料ソフトをお薦めします。
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iPhone用のデータ完全削除アプリ
iPhone用の「特定の写真やデータを完全削除できるアプリ」は適当な物が見つかりません。iPhoneの構造上の制約でアプリが作れないのです。
WindowsやMacOSのPCにインストールして、iTune経由、外部のパソコンからスマホ内の「削除済み」データを完全削除できるソフトは何種類があります。
Wondershare Technology様のデータ削除ソフトです。特定のファイルやフォルダーの完全削除以外にも、完全削除他いろいろな付加機能が付いていてiPhone本体だけではできないデータの削除をやってくれます。中国の会社ですが日本支社もありますのでサポートも受けることができます。
Androidスマホ用のデータ完全削除アプリ
Android用の「特定の写真やデータを完全削除できるアプリ」は多数開発されています。代表的な物をご紹介します。
- ProtectStar「iShredder 6 Free Standard Edition」
ドイツのセキュリティソフトウェア会社ProtectStar社の定評ある削除アプリです。有料でさまざまなオプションや、軍用レベルの厳重な削除もできる上位バージョンもありますが、個人が「特定の写真やデータを完全削除」する目的なら無料のスタンダードバージョンで十分です。
ただし記載はすべて英語となります。 - Palmtronix「Shreddit – Data Eraser」
アメリカのアプリ開発会社Palmtronix.社のアプリです。iShredder 6と同様の機能を持ちますが、こちらも英語のみの表記となりますが、画面表示はわかりやすいかもしれません。
削除できないものは隠してしまおう
スマホのデータやアプリで、後で見る可能性があって、消したくないものは、隠してしまいましょう。
隠す方法は大きく分けて4つの方法があります。
- アプリ自体のロック機能を使う
- アプリ起動時にロックをつける専用のアプリを使う
- 金庫アプリに情報を隠す。
- スマホ内でなく、外部のクラウドストレージに保存する。
詳しくは当ブログの下記記事をご覧ください。
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まとめ:
安全のために削除アプリを導入しましょう
iPhoneは本体に完全削除の機能が組み込まれているため、比較的安心です。
Androidスマホは完全削除の専用アプリを導入するほか、データの暗号化を確実に設定しましょう。
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