その理由とアカウントの断捨離の方法についてまとめてみました。この際きちんと整理してデジタル終活の準備もしてしまいましょう。
アカウントの放置は危険がいっぱい。今年こそ整理を!
増え続ける情報漏洩事故
まずは以下のサイトをご覧ください。2004年から「情報セキュリティ」の話題を専門に取り扱うニュースメディアSecurity NEXTの「ニュース」です。公的機関に報告されたセキュリティや情報漏えいに関わる事故をまとめています。
毎日「故意」「不注意」「不正侵入」、いろいろな原因で毎日少なくとも5件程度の事故が発生していており、多くは情報漏えい事故であることに驚かされます。
報道されてるのは一部、実態はもっと多く、アカウントは危険にさらされているはず
しかし報告内容を見てみると、公的な機関やしっかりとした会社や組織からの報告ばかりなのにも気がつきます。
報告義務を果たしている組織ばかりとは限りません。おそらく実態は、報告されない、もっと多くの事件が発生しているはずで、ここで報じられているのはほんの一部だと思われます。
アカウントを作ると言うことは、自分の名前、メールアドレス、住所のような個人情報を差し出している事と同じであり、ずさんな管理や故意の持出によって、いつどんな形で流出事件に遭遇するかも分かりません。
放置するだけで大きなリスクに繋がっている
使わないないサービスを退会しないままで放置していると、以下のような大きなリスクを抱えてしまいます。
しかもこれらのリスクは「いつ顕在化して、あなたに損害を与えるか?」予想できず、いったん起きてからは対策しようがないリスクなのです。
デジタル遺品として残ったアカウントが、持ち主の死後も続けて被害を生み出し続ける「負のデジタル遺産」化してしまうリスクもあります。
放置したアカウントが引き起こすリスク
- オンラインサービスに個人情報やID、パスワードがそのまま残っていたため、個人情報の流出事故が発生した際に、意図しない被害を受けることになる。
- 使っていないアカウントのため、情報流出事故が発生した時の緊急通知やマスコミ報道に気が付かず、対処が遅れる。
- 使っていないため、いつの間にか乗っ取られて悪用されても気がつかない。
- 使い回していたパスワードが流出した場合、ブラックマーケットで売買されて、無関係のアカウントへの攻撃や不正利用に使われてしまうリスクが高い。
- オンラインサービスがサービスをやめたり閉鎖した時、会員情報の削除をせず、そのまま流出に繋がる例も多い。
「ただより高いものはない」
「ただより高いものはない」のことわざの通り、無料で何かを提供してくれるサービスには無料で運営するだけの理由があります。
無料サービスの収益源として一般的なのは「来訪者によって広告収入を得る(=アドセンス)」か「来訪者がクリックして購買につながった成功報酬を得る(=アフィリエイト)」となります。アドセンスとアフィリエイト自体には問題はありませんが、注意すべきは「本音では個人情報収集が目的」のサイトやオンラインサービスです。
メールアドレスだけで立派な個人情報、まして、、、
「現在使われている(活きている)メールアドレス」は立派な個人情報で売買されています。
身に覚えのない迷惑メールの発生元のひとつは、ネット上で流通して迷惑メール業者に活用されている「活きてるメールアドレスリスト」に掲載されてしまっているから発生する場合が多いのです。
流出した個人情報が、いくらぐらいで売買されているか、下のサイトでご覧になってください。意外に高価なことに驚かされます。
RSA AFCC(Anti-Fraud Command Center:不正対策指令センター)の調査による
あなたのメールアドレスが密かに売られ、DMや新しい攻撃の種にされている危険は高いのです。まして他の個人情報も一緒に売られてしまったとしたら、考えるだけで恐ろしい事態です。
使わないアカウントは断捨離して整理しましょう
不必要な個人情報の提供を減らすため、休みや在宅勤務のタイミングで思い切ってアカウントを断捨離(整理・削除)しましょう。
テレビ見ながらでもできる簡単な作業です。
結果として、メールの受信トレイに不要なDMメールが減りますし、スッキリとした気分でメールボックスをみること新しい年をはじめることができますよ。
アカウントの断捨離の方法
1.DMメールから不要なサービスを見つけて退会
まずは受信メールのリストを見ていきましょう。
不要だなと思ったDMメールはその都度サイトに接続して配信停止、そしてサービス自体不要な物は退会しましょう。
2.メールを検索して不要サービスを見つける
ほとんどのオンラインサービスはメールアドレスの登録が必須となっているため、アカウント登録時には、まず間違いなくメールアドレスに登録完了メールが飛んできているはずです。
メールを以下のような単語で検索することで、簡単に登録したオンラインサービスを見つけることができます。
【登録情報を検索する単語の例】
「登録完了」
「登録ありがとうございます」
「ご登録のご案内」
「登録をうけたまわりました」
「ご登録のご案内」
「登録手続きが完了」
「ご登録の完了」 等など
上の単語でメール検索してみると、登録したことも忘れてしまったようなオンラインサービスがたくさん出てくるはずです。
3.メール配信を止めただけではダメ、必ず退会しましょう
目的はあくまで不要なアカウントの断捨離ですので、メールの配信を止めただけでは片手落ちです。
退会すれば個人情報も削除されるはずですので元のサービスから退会してアカウント自体を削除・消去してしまいましょう!
また退会せずに継続することにしたサービスは、簡単なメモに残しましょう。使っているアカウントの一覧を作ることはデジタル終活の第一歩です。
大切なのはわかっていても誰もがメチャクチャなまま放置している「オンラインサービスのアカウント情報」。大切なデジタル遺品やデジタル遺産のアカウントは、デジタル終活の機会にさっぱりと断捨離して整理したいけど、どこから手を付けて良いのか途方に暮れ[…]
4.サービスのバスワードが不明の時は?
パスワードが不明だと言って探したり、あれこれ試してみる必要はありません。
「パスワードがお分かりにならない時」などと記載されたパスワードリマインダーで再設定しましょう。
多くの場合、DMメールが送信されているメールアドレスを入力することでパスワードの再設定ができます。
まとめ:
アカウントの断捨離は簡単です。すっきり整理した後は、デジタル終活にもチャレンジしましょう!
誰もが「よく分からない」「大丈夫かな」と不安な気持ちで使っているアカウント。しかし思い切ってきちんと断捨離すると、すっきりして不安なく使えるようになりますよ。
アカウントは思ったよりたくさんありますが、上でご説明したように、メールを検索してみると、意外に早く作業が進みます。
断捨離が済んだら、ぜひアカウントの一覧表を作ることから、デジタル終活もはじめてみませんか?大切なアカウントは「IDとパスワードは何か」「どのサービスに入会しているのか」を記録として残さないと、永遠に失われてしまいます。
だからと言って大切なアカウント情報を紙に書いて保管するのは危険、誰に見られてしまうか分かりません。
安全と利便を両立する保管方法を実現しましょう
いよいよ当社が開発を進めてきた新サービス Digital Keeper ® をリリースさせていただきました。当社創立者が長い間悩んでいた「各種クラウドサービスやアプリを自由に安全に使いながら、どうやってデジタル資産を確実に継承しよう?」[…]
「デジタル終活」を知るための4冊の本のおすすめ
「デジタル終活」については、当サイトでもいろいろな側面からご説明していますが、デジタル終活の必要性や、「もしデジタル終活をしていなかった、どんな被害につながるか」「法律から見たデジタル遺品」などのテーマで詳しく解説された4冊の良書をご紹介します。
特にデジタル遺品問題に長く真剣に取り組んでこられた古田雄介氏の3冊の著作は、どなたにもご一読をお薦めいたします。「スマホの中身~」と「個人サイト」の2冊をご覧になるとデジタル終活の必要性が痛感いただけるでしょう。
また北川祥一氏の「デジタル遺産の法律知識」はアカウントから仮想通貨まで幅広い内容を専門家がQ&A方式でわかりやすく解説してくれます。