政府もすすめるパスワードマネージャーとはどうして安全で便利なのか?~機能と仕組みをやさしく解説

強固なパスワードをあなたに代わって生成し安全に保管し、入力も代行してくれる「パスワードマネージャー(パスワード管理ツール)」は、パスワードに関する悩みを解消するだけでなく、秘密情報の保管場所としても利用できる、まさに現代の必需品です。
今や政府もすすめるパスワードマネージャーの仕組みは?どうして安全なのか?そして使い方について、やさしくご説明します。

あらめてパスワードマネージャー(パスワード管理ツール)とは?どうして必要か?

「パスワードマネージャー」は人の能力の限界をカバーしてくれる

パスワード安全使用のための「二大原則」とは?

パスワードは、デジタルの世界で「正しい所有者を確認する(=認証)鍵」です。

指紋や顔など生体認証も発達してきましたが、それらはパスワードを補助する機能に過ぎず、最後の確認は結局パスワードとなっています。

デジタルの世界で、あなたのデータや資産、権利を守ってくれるものは、最終的には「パスワード」しかありません。
したがってパスワードの安全を守ることがこそ、デジタル活用ではもっとも大切な事は、誰もがお分かりのことでしょう。

そこでパスワードを安全に使い、被害にあわないためには、「パスワード使用の二大原則」

  1. パスワードの使い回しは絶対に行わない
  2. パスワードは長く(最低10文字、できれば14文字以上)の推測されないものとする

を守ることが、もっとも重要となります。

 

パスワードの二大原則を守ることは人の能力では不可能!

しかし、人間の記憶力には限界があります。

「少ない人でも数十、多い人では100を超すようなIDとパスワードの組み合わせ」は、どんなに工夫しても覚えることは、とうてい不可能です。

また紙やメモ帳に書いても、万一紛失した際に危険ですし、スマホやPCに保管しても「そのつどファイルを開いて探す」「個別に保管すると追加や修正が難しい」という手間もかかります。

安全性と利便性が両立した方法でないと、結局「パスワードの使い回し」「安易なパスワード」の悪循環に戻ってしまうでしょう。

しかしそれでは「安全なデジタル利用」は根本から成り立たなくなってしまいます。

その解決策こそ「パスワードマネージャー(パスワード管理ツール)」の使用です。

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パスワードをあらゆる手段で盗み出すハッカーのイメージ

 

セキュリティ専門機関や政府も「パスワードマネージャー」の使用をすすめている

「パスワードマネージャー(パスワード管理ツール)」とは?

人に代わってたくさんのパスワードを記録し、安全に保管し、使いたいときに教えてくれる

という便利なソフトウェア・ツールのことです

近年セキュリティ専門機関や政府機関からも、「記憶に頼ってパスワードを使うのは不可能なので、パスワードマネージャー使用こそ、記憶に代わる効果的な方法だ」と紹介されるようになりました。

以前よりパスワードの二大原則の重要性については、いろいろなところで語られてきましたが、「どうやって覚えれば良いのか?」具体的な方ホはあいまいでした。

しかしサイバー犯罪の多発により、ますます重要性が増す「強いパスワードの反面」、そんな複雑なパスワードは誰も記憶できない」という現状から、唯一の解決策として「パスワードマネージャー(パスワード管理ツール)」使用をすすめるようになってきた思われます

 

パスワード管理ツール(=パスワードマネージャ」※著者注)を使用する
「パスワードが覚えられない、そのたびにメモを参照するのは面倒」という方は、信頼性のあるパスワード管理ツールを使用しましょう。多くのパスワード管理ツールでは、各インターネットサービスごとにアカウントIDとパスワードを一度登録しておけば、利用する際にツールから呼び出して自動入力することができます。
したがって、利用者はツールを起動するためのパスワードを覚えてさえいればよく、サービスごとに異なる複雑なパスワードをすべて覚えておく必要はありません。

■出展: JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)

 

パスワード管理アプリ(=パスワードマネージャー※著者注)の高度な利用
パスワードに関して NISCでは、「人は必ずヒューマンエラーを起こす」ことを前提に対処方法を考えます。たとえばパスワードの管理は数が多くなるほど覚えにくく、使い回しをせずサービス毎に別々のものを考えるのは面倒で、何も対策せずに強要すると、そのうちワンパターン化したり、同じ物の使い回しを始めたりするのではないかと考えます。

これを解決するため、総合的にパスワードを管理する、スマホの「パスワード管理アプリ」を推奨します。

■出展:内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)「インターネットの安全・安心ハンドブック」