デジタル遺品整理のシミュレーションその1「若い世代編」~残された家族がいかに苦労するか、、、

デジタル遺品管理の大変さに悩む遺族
「ある日突然家族が急死してしまったら」。遺族には悲しみだけでなく、大きな苦労がかかってしまいます。
その中で近年表面化してきたのが「デジタル遺品整理」の苦労。果たしてどのくらいの手間がかかるのか?シミュレーションしてみました。「どうしてデジタル終活が必要なのか?」ご理解いただけると思います。

 「デジタル遺品整理」はどのくらい大変か?具体的にシミュレーションしてみました

息子が突然亡くなった!残された家族のデジタル遺品整理は?

デジタルにますます依存している今の社会。

普通に生きている人が不幸にして急死した場合、残された家族が、デジタル遺品を整理するのにどのくらい手間がかかるか?

縁起でもない話しですが「葬儀だ相続だ、、」となにかと慌ただしい時に、デジタル遺品整理のためらどのくらいの労力がかかるのか、「デジタル遺品整理のシミュレーション」をしてみました。

 

「デジタル遺品シミュレーション」のモデル像は「27歳男性」

27歳の社会人になって日の浅い男性をモデルとして、「亡くなった後の家族がどうやってデジタル遺品を整理していくのか?」のシミュレーションしてみましょう。

モデルはこんな人とします。

  • 故人は27歳の男性、大学卒業後都内の大手企業でサラリーマンとして働いて4年目。一人暮らしで、埼玉の賃貸マンションから都内に通勤。
  • まじめなサラリーマンとして働いていたが、趣味はネットワークゲームのいわゆる「ヲタク」。休日はどっぷりはまっている。
    学生時代からの友人、会社の仲間に加え、ネットを通じた交流も盛んで、Facebook、Twitter、Instagramで活発に交流し、ネットを超えて友達とつきあう機会も多かった。
  • 趣味を優先した生活で特定の恋人はいない。
  • コミュニケーション手段のメインはLine。一部PCとスマホ上でのGmail。

「デジタル遺品整理シミュレーション」開始

若い彼を襲った突然の死

会社より「2日続けて出社していない」と連絡を受け、家族が埼玉のマンションに駆けつけたところ、室内で脳出血のため急死している事を発見

持病もなく、不審死とされたが、検視の結果「事件性無し」とされて、翌日には遺体が戻され、葬儀となった。

独身男性の1人住まいのため、マンションの室内は家具も少なく簡素。ネット依存の今時の若者らしく、本や書類もあまり見当たらず、本人が大切にしていた最新型のPCとスマホが家族に残された。

 

1.突然死の後、葬儀までに家族がしたこと

関係者への連絡

会社関連の連絡は会社に依頼。

大学時代以降の交友関係は全く不明で住所録も見当たらない。同じマンションの近隣との付き合いもない。
ようやくLineのメッセージのやりとりや、Gmailのメール送受信履歴を見て、やりとりが多い連絡先10名ほどに急な不幸を連絡

幸いにして、交友関係のキーとなる友人にたどり着き、協力を依頼でき、友人達はSNSを活用して、短時間に訃報を連絡
故人をしのぶ人たちが集まって心のこもった葬儀を営むことができた。

 

2.葬儀がおわって、家族がはじめたデジタル遺品整理

光ネット契約の取り消しのために、Gmailを検索

故人の賃貸マンションは速やかに解約しなければならない。電気や水道の解約は簡単だが、困ったのは光回線の契約

オンラインゲームのため、故人は賃貸マンションで独自に高速の光回線を契約していた。

機器を見てもどこの会社との契約か不明だったが、幸いGmailを検索すると「契約時の記録やID」が判明したため、光回線会社のユーザーサポートに連絡して、無駄なくに解約することができた。

 

3.SNS関連のデジタル遺品整理

Facebookのアカウント停止と追悼メッセージを掲載してもらった

故人が最も活発に使用していたFacebook。

幸い故人が親しいネット仲間を「追悼アカウント管理人」に指定していたため、速やかに「追悼ページ」を設定してもらえ、スムーズに故人の不幸を友人関係者に共有できた。

しばらく故人を追悼した後、タイミングを見てアカウントを閉鎖する予定である。

 

 

Instagramはいったん停止した

Instagramは死亡を証明できる書類を送付することで、アカウントを「追悼アカウント」扱いにしてもらえ、表示は停止され、新規投稿もできなくすることができた。

近親者はアカウントの削除も申し出ることができるのでしばらくしてアカウントを削除する。

 

Twitterは閉鎖した

Twitterはユーザーサポートへ連絡するフォームがあった。

回答の一部は英文だったが、何とか無事にアカウントを削除できた。

 

4.各種オンラインサービスの停止

Googleアカウントは必要データをダウンロードした後で削除依頼

Gmailについては、メール他の必要なデータをダウンロードした後削除することにしたGoogleに所定のフォームからアカウントの削除を申請した。

 

5.LINEは交友関係に訃報を連絡した後、アカウントを削除依頼

故人が友人知人との連絡で主に使っていたLineは、Facebookのような「追悼ページ」機能はないため、故人のアカウントから知り合いに不幸を連絡した、LINEに依頼してアカウントを閉鎖してもらった。

 

6.思い出につながるデジタル遺品の整理と保存

PCやスマホの内部に保管してあった写真やデータ、クラウドサービスに保管されていた写真などデータは本人のPCですべてダウンロードして、保管が必要な物は、家族PCにコピーして故人をしのぶデジタル遺品として大切に保存することにした。

7.ネット銀行に残されたお金はデジタル資産として相続

通帳は見当たらなかったが、聞き慣れない名称の銀行キャッシュカードが見つかった。

故人のGmailを銀行名で検索して調べたところ、一般銀行の他にネット銀行を使っている記録が見つかった。

ネット銀行の死後の手続は基本的に通常の銀行と同等であり、一旦凍結されたが、所定の届出の後、預金を相続できた

8.仮想通貨は精算して処分

故人のLineでは頻繁に仮想通貨についてのやりとりがあったため、「もしや」と思ってPCを探したところ、仮想通貨取引所のIDとパスワードが見つかった。

残存の仮想通貨は売却し、口座も閉鎖できた。

9.FXのオンライン口座は、損害が出る前に精算

仮想通貨と同様、故人のPCからIDとパスワードが見つけることができた自動取引が設定されていたが、幸い大きなマイナスは生じる前に、取引を停止し精算・閉鎖することができた

 

遺族がいろいろと大変そう。しかしこのシミュレーションは、ほとんとあり得ない「甘い設定」です。現実では?

前提としている条件が甘すぎる。

上に書かれた項目だけでも、随分大変な苦労がありそうですね。
しかしこのシミュレーションは、皆さんに危機感を感じてもらうため、意識して前提条件を甘くしてみました。

現実にはこんなに簡単にデジタル遺品整理は進みません

文中、赤いマーカーを引いてあるところが課題となるところです。

スマホが遺されても、遺族はデータを見ることはできない。PCもすぐには難しい。

そもそも今のスマホやPCはパスワードや指紋など生体認証が完備されセキュリティは万全になっており、家族と言えどもパスワードなしではアクセスはできません
プロの業者に頼んでもスマホのデータ取り出しはほとんど不可能です。

まして葬儀の前に短時間で関係者の連絡先を読み出すなどと言うことは、不可能と言って良いでしょう。
上記のケースの場合でも、交友関係にはすぐにはたどり着くことには無理でしょう。

ご葬儀は随分さびしい式になってしまうでしょう。

スマホに比べてパソコンはデータを取り出せる可能性は高いですが、素人では難しく、専門の業者に依頼することになります。費用も日数もかかります。
今は紙の書類ではなく、すべてネット上で完結するサービスが増えてきました。アカウントが分からないと、サービスの存在すら分かりません。

FX取引や仮想通貨の売買では、故人がそんな取引をやっていたことを遺族は全く知らず、後から多額の損害を請求されるケースも多いそうです。

「追悼アカウント管理人」は事前に指定しておく必要がある。

Facebookには上記でもご説明したとおり「追悼アカウント」という、他のサービスにはない親切な機能があります。

しかしこれを使用するためにはアカウントを持っている本人が、あらかじめ友人や家族などを「追悼アカウント管理人」として指定しておく必要があります。

はたしてそんなことを事前にきちんと整備している人がいるでしょうか???

後からでは、たとえ家族と言えども、追悼アカウントを操作することはできません。

Facebook社に「死亡診断書」他の書類を準備して申請すればアカウントの削除はやってもらえますが、「追悼アカウント管理人」はあくまで本人が生前に指定しておかなければ認められません。家族と言えども、思い出や大切な情報が残されたFacebookは削除する以外の操作は一切できません。

ひどい話しですが、Facebookは「追悼アカウント管理」の仕組みを用意しているだけで立派な物です。
他のSNSはほとんどなにも用意されていません。

いくつかの行動はサービスの規約違反で、法律的なリスクすらあります。

多くのオンラインサービスでは、規約上、ある人のIDパスワードは、本人以外の人、たとえ家族であっても使用することは禁止されています。

以下はLINEの利用規約ですが、「アカウントは、お客様に一身専属的」「ご遺族であっても故人のアカウントを引き継ぐことはできません」と明記されています。

4.7. 本サービスのアカウントは、お客様に一身専属的に帰属します。お客様の本サービスにおけるすべての利用権は、第三者に譲渡、貸与または相続させることはできません。
■LINE「利用規約より」引用  https://terms.line.me/line_terms/?lang=ja

LINEアカウントは、そのアカウントを作成されたご本人に限りご利用いただけるものです。そのため、ご遺族であっても故人のアカウントを引き継ぐことはできません。
■LINE「Safty Center~故人のアカウントを閉鎖するhttps://linecorp.com/ja/safety/account

つまり、家族と言えども故人のIDパスワードを使用することは、不正使用であり、明らかになった場合は、犯罪と見なされるリスクまであるのです。

家族はしばらくの間何もできない可能性が高い

スマホもPCもデータが触れないという事になると、今回のケースでは家族は

「葬儀について友人・知人への連絡」「光回線の解約」「SNS上での告知」「各種サービスの解約」
も対応できず、

「オンライン銀行」や「仮想通貨やFX口座」
にいたっては存在すら気がつかず、後から大きな負債を負う危険もあるのです。

まとめ:
今すぐデジタル終活をはじめましょう

現実には故人のスマホや結局、皆さんを心配させるシミュレーションとなってしまいましたが、これが現実です。

しかし本サイトでお薦めしているノウハウを使ってデジタル終活を進めていただければ、デジタル遺品に関するトラブルはかなり低減することができます。

ぜひ今すぐデジタル終活に取り組んでいただくようお薦めします。

 

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