Adobe Flash Playerの使用は危険!今すぐ削除しなければならない理由

2020年12月末日でAdobe Flash Playerのサポートが完全に停止されました。
開発元のAdobe社はもちろん、マイクロソフト、Googleも速やかな「使用停止と削除」を求めています。
「Flash職人」の言葉が生まれるほど、長く親しまれてきた動画の規格をどうして捨てなければならないのか?やさしく解説します。

Adobe Flash Playerのサポート終了

Adobe Flash Playerとは

「Adobe Flash(アドビ・フラッシュ)」は、アドビ(Adobe)社が開発した動画やゲームなど「動くコンテンツ」を扱う規格です。

また「Adobe Flash Player」は、「Adobe Flash」で作られた動画やゲームなどを再生する」ための再生ソフトで、Adobe社より、ネットの初期から長い間無償で提供されてきました。

ウェブサイトで動く画面や、マウスに反応して動作するゲームなどを表示させるために、Adobe Flash Playerをダウンロードした方は多いと思います。

「Flash」はyouTubeのような動画共有サイトが出現するまで、ネット上での動画作りの標準規格でしたので、「FLASH職人」と呼ばれる人気の製作者も現れ、ネット上ではFlash黄金時代となりFlash作品があふれました。

またGoogleChromeのようなブラウザーにはAdobe Flash Playerが最初から組み込まれるようになり、動くコンテンツ画面の再生に使われてきました。

 

2020年の年末でサポート終了=使用停止が決まる

ところがAdobe Flash Playerはすでに新しい開発が停止されて、2020年12月31日でサポートが終了してしまいました。

開発元のAdobeだけでなく、MicrosoftやGoogleも一致して、Flash停止に賛同し協力しています。

すでにAdobe Flash PlayerはAdobe社はもちろん、正しい入手先からはダウンロードできず、使おうとしても「使用停止」を求めるメッセージが表示されて、使うことすらできません。

どうして人気だった規格が、使用停止になってしまったのでしょうか?

 

なぜAdobe Flash Playerは使用停止となったか?

ネット創生期の古い規格で今では使いにくい

ひと言で言うと「古い規格で、今では使いにくいだけでなく、危なくなった」事につきます。

ネット上で動くコンテンツは今では当たり前ですが、インターネットが一般で使われるようになった1990年代では、ネットの通信速度も遅く夢の技術でした。

そのネット初期に「遅い回線でもダウンロードできる少ないデータで動く画面を実現させる」ために開発されたのが、Adobe Flashの規格です。

しかしその後、高速ネットが当たり前になり、よりきれいな画像が求められ、動画をそのまま編集してアップロードすることが普通になりました。

再生されるデバイスもPCよりスマホが優先されるようになりました。

それに併せて、動くサイトを作る方式も、HTML5、WebGL、WebAssemblyなど新しい規格が生まれ、動くコンテンツの大部分は新しい規格で作られるようになりました。

新規格に比べるとFlashは動きが悪く、制作も面倒になり、次第に使われなくなりました。

古い規格のAdobe Flashは危険だった

使い勝手以上にFlashの退場が決まった理由は、セキュリティ上の懸念です。

iPhoneはAppleの創立者スティーブ・ジョブズの考えで、スタート時より「重くて危険なAdobe Flashは使わない」との方針でインストールされず、Androidも早くに開発が止まっていました。

スマホで使えなくなったことがFlashの衰退につながりました。

さらに古い規格のため、脆弱性が多く、構造からしてこれ以上セキュリティを強化することも難しくなりました。
繰り返しアップデートされて対策が続けられましたが、次々に新たな脆弱性が見つかリ、ハッカーの標的にされるような事態が繰り返されました。

以上の状況から、長年親しまれた規格にもかかわらず、2017年に「2020年末を持って停止する」と発表されました。

 

もはや、Adobe Flash Playerは使ってはいけない!

新しいOSでは警告が出て使えなくなっている

現在Windows10上でAdobe Flashの動画を再生しようとすると、以下のような画面が表示され、「サポートが終わったので削除するように」との表示に切り替わります。

Adobe Flash伸しよう禁止を示すページ

わざわざこのような画面を表示させるということは、提供側が「それだけ危険な事だ」と認識していることに他なりません

サポートが終わったサービスや規格は、脆弱性があっても対策されることはなく、放置されてしまいます。

もともとセキュリティに脆弱性を抱えたAdobe Flashには、犯罪者が目をつけて、いろいろなワナをしかけてきますが、誰もその穴をふさごうとはしません。

Adobe Flash Playerは今では「使うだけで危険」ですので、今すぐ使用を止めて下さい。

 

古いパソコンをお使い方は特に注意

今でもAdobe Flash Playerは入手できるが、、、

ネットを探すと、AdobeFlash Playerをダウンロードできるサイトは見つかります。

しかし今でも入手できるAdobeFlash Playerは、不正に配布されているものばかりです。

不正配布のコンテンツにマルウェアのような不正プログラムを組み込むことは、犯罪者の常套手段です

特にWindows7など、古いOSの入ったパソコンを今でもお使いの方は、簡単に悪用されて、乗っ取りなど被害につながりますので、十分にご注意ください。

 

Adobe Flashで作られた動画を再生したいが、、、?

これまでAdobe Flashで作られた「動くコンテンツ」はたくさんあります。

過去の遺産としてネット上に残っているものも多く、オンラインゲームや企業のe-ラーニングなどにも多数使われました。

しかし、考えていただきたいのは、「Adobe Flashが使えなくなることは2017年より予告されていた」と言うことです。

今後も継続して使ってもらいたいコンテンツは、Adobe Flash以外の規格で再作成されたはずです。
今でもそのまま残っているコンテンツは、すでに役目を終えて放置されているものと言って良いでしょう。

放置はすなわち危険につながります。

ネット上に残っているAdobe Flashコンテンツは身元が正しいもの以外は、使わない方が無難です。

なお、すでにお持ちで安全なAdobe Flashコンテンツについては、以下のようにAdobe Flash Playerに代わる代替再生サービスが有志によって運営されています。

「Adobe Flash Playerの代替 Ruffle

 

パソコンをお使いの方はAdobe Flashをアンイントール(削除)しよう

誤って使用することがないよう、パソコンのAdobe Flash Playerを念のため削除してしまいましょう。

削除方法は、以下のAdobe社のサイトに記載されています。

Windowsの削除方法

MACの削除方法

削除方法はAdobe社の削除ツールをダウンロードして実行すると、以下の画面が開くので、「削除する」を選択するだけで簡単です。

Adobe Flash Playerの削除ツールの画面

 

まとめ:
Adobe Flash Playerに限らず、古い規格やソフト、アプリの使用には十分に注意しよう

近年、パソコンなどの機器やOSはかなりセキュリティが強化され、不正な攻撃は受けにくくなっています。

それだけにサイバー犯罪を企む犯罪者は、フィッシングメールなどでユーザーをだますか、対策がされていない古いデバイスやOS、アプリを突いて犯罪を成功させようと目を光らせています。

事実多くの不正侵入は未対策の欠陥を狙ったものでした。

今後も古い規格のアップデートや使用停止が相次ぐと思いますが、メーカーの告知を見落とさず軽視せず、対応して危険を未然に防ぐようにしましょう。