「黒歴史、恥ずかしい写真やデータ」密かに保管する方法は?「私の秘密金庫」の作り方

誰にも他人に見せたくないデータや写真はあります。いわば「私の黒歴史」とも言える恥ずかしいデータを確実に隠し、万一の時に恥ずかしいデジタル遺品を残さないためにどうすべきか?デジタル終活の重要なテーマです。
「どうしても残しておきたい秘密データや写真」を安全確実に隠して保管する方法を 「ツールからクラウド」まで詳しくご説明します。

他人に見られたくない「私の秘密金庫」の作り方は?

データには探される宿命がある

あなたにもしものことがあった際、家族や関係者はあなたの残されたデータを、デジタル遺品やデジタル遺産として必死でお探しになるでしょう。この気持ちは誰にも止められません。
場合によっては「PCの詳しい人」や有料の「データ復元技術を持った業者」に依頼することもあり得ます。
死んだ後にデータを探されるのは仕方がありませんが、その過程で見られたくないデータがさらされてはたまりません。

秘密を守りながら、保管する(隠す)「私の秘密金庫」を作る方法は以下の2つが考えられます。

秘密金庫その1.(お薦め)クラウドストレージに保管する

この数年で飛躍的に進歩し、コストも安くなったクラウド上のストレージ(記憶媒体)に保管する方法です。

  • 長所:災害が多い現在、自宅や機器内に保管するよりはるかに安全で信頼性も高い。低コストで存在を知らせなければ絶対にばれない。
  • 短所:無料や信頼性の乏しいサービスでは、サービス自体が終了したり、データが焼失する恐れがある。

秘密金庫その2.自分のパソコンやデジタル機器内に隠す

昔ながらの普通の保存方法に、パスワードや暗号化を組み合わせて隠す方法です。

  • 長所:手元においてあるという安心感がある。
  • 短所:災害や火災、故障などでデータを失う危険がある。ツールや機器などコストがかかる。厳重な暗号化、パスワード保管などの守秘作業が必要である。

 

利便性と継続性を検討して保存方法を決めましょう

以下それぞれの隠し方について詳しくご説明します
当プログとしては「クラウドストレージへの保管」をお薦めしますが、便利さや試用期間を検討してお決めください。

 

 

秘密金庫その1:「クラウドストレージに保管する」【お薦め】

実はクラウド保管には利点が多い

クラウドストレージとは、ファイルを保管するためのストレージ(外部記憶)の場所を貸してくれるオンラインサービスです。近年急速に進歩し、高い信頼性と性能を誇っています。

私がおすすめするのは、このオンラインストレージに「あえて秘密情報を保管」して「私の秘密金庫」をつくることです。利点としては

  1. 家の中に保管しては災害、火災や機器の故障の心配があるが、信頼できるクラウドサービスでは、災害や事故の危険はほとんどない。
  2. パスワードさえ確実に管理すれば誰もアクセスできない。
  3. 自分に万一のことがあってアクセスできなくなった時は、各サービスの規約や使用料金の未納によって、いずれは完全にデータが削除され、秘密は永遠にもれる心配はにない。

 

「私の秘密金庫」用にはそれ専用のクラウドを借りるべき

なおオンラインストレージには、GoogleDrive、OneDrive、iCloud、Dropbox等有名なサービスが多数あり、既にいくつもお使いだと思いますが、日常使用する可能性があるそれらとは別に「秘密情報専用に新しいオンラインストレージを契約する」ことをお勧めします。

そしてもしもの時に見られても構わないデータは、いつものクラウドに保管し、秘密のデータは別のクラウドに保管することで、うっかり保管間違いをするミスを防ぐことができます。

さらに、秘密のクラウドにアクセスするために、

  1. お気に入り/ブックマークにはURLを保管せず、クラウドの名称、URLとパスワードをしっかり記憶する。
  2. アクセスするときはブラウザーの「シークレットウインドウ」を使って、履歴が残らないようにする。

ことで、あなた専用の秘密の保管場所「私の秘密金庫」をつくることができます

単純ですが、もっとも安全で確実な方法です。

ただし機密情報を保管するクラウドサービスを選択する際は、以下のようにいくつか注意があります。

「パスワードリマインダー(パスワードをお忘れの方)」の動作にご注意

ほとんどのオンラインストレージサービスはパスワードを忘れた際に、登録時のメールアドレスなどを入れればメールでパスワードリセットして新規登録できる「パスワードリマインダー」の機能を持っています。

便利な機能ですが、後であなたのPCを扱った人が、あなたに成り代わって新しいパスワードを入手できてしまう恐れがあります。

メールなどで安易にパスワードリセットができないオンラインストレージサービスを選ぶ必要があります。

使用はあえてブラウザー経由に限定する。専用アプリは使わない

オンラインストレージサービスは、ブラウザーだけでなく、PCのソフトやスマホのアプリで利用できます。

しかしソフトやアプリはログイン情報を記憶してしまいますので、詳しい人が調べるとあなたのアカウント内容を知られてしまうかもしれません。面倒でもブラウザーだけで使用しましょう。

なおブラウザーで使う時は「シークレットモード」で使うと使用履歴が残りません。あなたがどのオンラインストレージサービスを使っているか、他人が知る術はありません。

ログインパスワードはブラウザーに記憶させず、毎回使用後はログアウトをお忘れなく

これは言うまでもないことですが、自動的にログインできては秘密情報は守れません。ログイン時に「パスワードは保存しない」ようにしてください。

 

「私の秘密金庫」用におすすめのオンラインストレージサービス「MEGA」

MEGAはニュージーランドのオンラインストレージサービスです。有名なサービスで特にセキュリティが厳重なことで知られています。

パスワードリマインダーはなく、万一パスワードを紛失した場合は「秘密のコード」を入力しないと接続できません。しかも50GBまでは無料で使えるというすばらしいサービスです。

サービス名とURLも短くて覚えやすいため、あなたの記憶の中だけで維持することにより、「私の秘密金庫」の存在を完全に隠すことができます。

MicrosoftのOneDrive「個人用Vault」も検討する価値あり

2019年9月30日に、マイクロソフトのクラウドサービスOneDriveに「誰でも簡単に確実に重要データを保管できる」新機能「個人用Vault」が追加されました。

OneDrive自体のパスワードが必要ですが、「個人用Vault」は別途Microsoft Authenticatorアプリ、指紋、顔、PIN、メールまたは SMS 経由で送信されるコード」などの本人確認の 二段階認証が求められるようになり、二重の安全対策で守られます。

二段階認証を自分だけが解除できるようにすれば、いつも使うOneDrive内に「私の秘密金庫」を設置することもできます。

詳しくは下記のプログ記事をご覧ください。

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個人用Vailtのイメージ写真

 

 

秘密金庫その2.自分のパソコンやデジタル機器内に隠す

データにパスワードや暗号化をかけて自分の機器内に保管する方法

他人に見られたくない写真やデータを暗号化して読み出しても解読できないように加工し、暗号化を解除するパスワードをかけて保存します。

データの数が少ない場合は、データ個別にパスワードをかけて保存すれば良いでしょう。しかし多数のデータに個別にパスワードをかける手間は大変ですし、閲覧する際も面倒です。
またファイルの置き場であるフォルダーやドライブ全体にパスワードをかけて、パスワードを知らない他人はアクセスできないようにし、「後からデータ復元業者に調査されても発見されないよう」に準備しておくことが最善ですが、若干の技術や作業の手間が必要となります。

「隠しフォルダー」や「深い階層に保管」するは簡単にばれてしまう

しばしば雑誌などで紹介される「隠しフォルダー」を作ったり、「深い階層に名前を偽装して保管」するといった手法は、お手軽ですが、少しパソコンに詳しい人や技術者にかかると簡単に見破られてしまいます

「絶対に秘密情報を守りたい」方にはおすすめできません。

「ファイルや写真をzipで圧縮してパスワードをかける」方法はパスワードの長さに注意が必要

Zip等の方式でファイルやフォルダーごと圧縮してパスワードをかける方法もよく使われますが、覚えやすい短いパスワードをつけてしまうと、実は簡単にパスワードを見つけられてしまいます
総当たりで次々とパスワードを試すことができるため、zipファイル専用の「パスワード破りソフト」も配布されているほどです。

パスワードは長くすることで解析が困難になります。今では最低14文字程度のパスワードは必要です。また忘れてしまっては二度と開けなくなります。どうやって安全と記憶を両立させるかが鍵となります。

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ExcelやWordはファイルパスワードで保管してもまず安心

ExcelやWordなどのマイクロソフトoffice製品ソフトのデータはファイルを保存する際にパスワードをかけることができます。

以前のoffice製品のパスワードは上のzipと同等で弱い物でしたが、offixe2007以降は暗号化の方式が変わり非常に強固になり、通常の機密情報は十分守られます
ただしファイルごとにいちいちパスワードを設定する手間はかかりますし、パスワードを忘れては大変です。

WindowsもMACも標準機能でフォルダーにパスワードかける機能はない

ユーザーにとって最もありがたいのは「特定のフォルダーだけを暗号化して、パスワードがないと閲覧できないようにしてくれる」機能です。

ところが、この機能は標準機能としては用意されていません。Windows10もappleのMAC OSも
 「ドライブ全体を暗号化する」
「ユーザーアカウンドごとに見えなくする」
はできますが、
「シンプルに任意のフォルダーだけを暗号化してパスワードをつける機能」
はありません

 任意のフォルダーを金庫化できるセキュリティソフトを使いましょう

最も確実で使いやすい方法は、専用の「フォルダー金庫化ソフト」を使うことです。金庫化されたファイルやフォルダーはパスワードがないと開くことはできません。

同様の機能を持つソフトは、無料ソフトも含めて何種類かありますが、大切な秘密情報を長く預けるわけですから、おすすめなのはやはり有料ソフトとなります。

金庫化ソフトとして定評ある「Renee File Protector」をおすすめします

開発元は中国の会社ですが、全世界規模の企業ユーザーも含めた実績があり、日本語のサポートを受けられるしっかりしたソフトです。

このソフトを使えば、ファイルやフォルダー単位で暗号化してパスワードをかけることが簡単にできるほか、
「ファイルやフォルダーを完全見えなくする」
「USBメモリーの暗号化」
「不用になったデータの完全削除」
など、付属機能も充実しており、大変役に立つソフトと言えます。

 

 

簡単に隠すには「秘密情報保管専用」の記憶媒体(USBメモリー、ハードディスク)を使う

ツールやソフトを使うのが難しい方は、手っ取り早く「秘密情報専用の機器にまとめて保管してしまう」ことが、最も簡単で確実な方法と言えます。

情報セキュリティの重要性が高まるにつけ、保存するだけで自動的に暗号化しパスワードもかけてくれる記憶媒体が多数発売されています。
これらの機器を購入して、自分だけが知るパスワードーなど設定さえすれば、簡単に「秘密データの保管」が実現します。どの機器も企業レベルでの安全性を備えていますので、パスワードさえ見つけられなければ中を見られる心配はありません。

欠点としては「中が見られない記憶媒体」の存在が明白になるため、残された家族や関係者に「何が入っているのかなぁ」と違和感が残ってしまうぐらいでしょう。

 

スマホの内部のデータやアプリの隠し方は?

スマホのデータやアプリで消したくないものを隠してしまうためは大きく分けて三つの方法があります。

  1. アプリ自体のロック機能を使う
  2. アプリ起動時にロックをつける専用のアプリを使う
  3. 金庫アプリに情報を隠す。

詳しくは当ブログの下記記事をご覧ください。

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「デジタル遺品の調査」「パスワードを解除したいとき」は必ず専門業者に相談しましょう!

パスワード解除やデジタル遺品の整理で問題が発生したときには、「二度と中身のデータにアクセスできなくなるかも…。」と不安になると思います。しかし、ネット上には不確かな情報や怪しい業者も目立つので、慎重に業者を選ぶのが大切です。セキュリティに関わる調査は絶対に信頼できるプロに任せたほうが確実です。

そこで、パスワード解除やデジタル遺品などの調査を行っている専門会社に調査を依頼するのがおすすめです。探偵や興信所が行っていることもありますが、スマホやパソコンのログなどの調査は専門分野の業者でなければ詳しく調査をすることが難しいです。

より正確な情報を安全に調べるには、パスワード解除やデジタル遺品調査の専門業者に相談しましょう。

おすすめの調査会社:デジタルデータフォレンジック

デジタルキーパーも貴重な情報を提供いただいている「デジタルデータソリューション株式会社 の《デジタルデータフォレンジック》」は、官公庁、警察・捜査機関からの信頼も厚い、国内随一の高い技術と実績を持つサービスです。

累計の相談件数は2万3703件以上で、個人・法人問わずハッキング調査の依頼を受け付けています。

相談~調査の見積もりまでは無料で対応してくれるので、まずは一度相談してみるとよいのではないでしょうか。

 

おすすめの調査会社:デジタルデータフォレンジックおすすめのパスワード解析・調査会社はこちら

まとめ:
他人に見られたくないデータは推測困難なパスワードで守り、しっかり記憶しましょう

どの方法を取るにしても、パスワードがばれて、恥ずかしいデジタル遺品として残ってしまわないよう、「推測されない複雑なパスワードをしっかりと記憶すること」が重要になります。
いつも頼りになるパスワードマネージャーには記載してはいけません。

覚えやすく安全なパスワードの作り方は以下をご参照ください。

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